決心
今日は入校日に、教習を担当してくださった「スキンヘッド」の「Dr,シマダ」。 「Dr.シマダ」は、事故の日も、私がバイクに乗れなくなった決定的な日も、直接教わらなくても、何故か側に居た。 スピードの出るモノ。生身の身体むき出しの、もしもの時はリスクの大きい乗り物。最初の「漠然とした恐さ」から、「命に関わる、絶対的な恐さ」へ。でも、もうダメだと思いながらも、とにかく通うことだけは止めなかった。 「今日は走るんですよね。乗るんですよね。無理しないで着いてきてください。ダメだと思ったら止まってください」 何も考えないで、「Dr.シマダ」の後ろを、夢中で走る。「砂かけさん、乗れてますよ。ちゃんと進歩してますよ。ちょっと休憩して、落ち着いたらさらに走りましょう。どんどん走りましょう。砂かけさんは、もう大丈夫ですよ。」 「大丈夫」。。。なんと思いやりにあふれた、あたたかい言葉なんだろう。またひとつ、ちいさな希望をもらった。 臆病な私の背中を押してくださった「Dr.シマダ」は、実はお顔に似合わず(ごめんなさい)優しい教官なのであった。