土壌
Youth Philharmonicの演奏会。生で聴くのは初めて。NECのPrep School、提携しているWalnut Hill High Schoolの生徒によるオケである。まだまだ成長期だから、楽器の鳴らし方という点では熟していないけれど、感受性の最も豊かな時期に、内実のある教育を受けているのがありありと見える。アイヴズ、ラヴェル、ショスタコーヴィチといった、多彩で一筋縄でいかない"大人の"音楽を、自然に伸び伸びと話すティーンエイジャーたち。無論、教育者としてのB.Z.氏の力も大きい。早期教育ではどこかの国も負けてはいないはずなのだろうが、レッスンされた通りのシベリウス&チャイコしか弾けないヴァイオリン弾き、吹奏楽コンクールの課題曲だけは上手く吹くクラリネット吹き、なんかを大量生産していては、到底こういう中身のユースオケは出来ないだろう。日本じゃ、音大のオケでも、あんな色彩感のある「ラ・ヴァルス」なんて無理。所詮、ゲーム、アニメ、ケータイ、オタクの国なのか。彼我の差は大きいようだ。