日本ウェアラブルデバイスユーザ会 東京 #4 参加レポート
最近は、ウェアラブルデバイスの活用に興味があるので、「日本ウェアラブルデバイスユーザ会 東京 #4」に参加してきました。特に、ルネサスの清水さんの話しがおもしろかったです。日時 :2015/02/10 19:00 to 21:00会場 :devcafe@インフォシティ(青山オーバルビル16F)(1)CESで見た医療系ウェアラブルの最前線と最近のトレンド株式会社ディー・エヌ・エー ダニエル マグス様DeNAに所属して新規事業を担当しているダニエルさんですが、自分で医療系の会社を起業しようと考えているそうです。高齢者向け医療サービスを検討していることから、医療系のウェアラブルデバイスについて調査をしてました。最近、流行の活動量計(フィットネス・バンド)で情報を収集してもデータからわかることがなく、短期的なインセンティブが低いため半年以内に辞めてしまう人がほとんどのようです。デバイスから考えるのではなくて、問題から考えることが重要であると言っていました。そのため汎用デバイスではなく、用途にあわせた専用デバイスが普及していくのではないかと見ていました。そこで、先日のCESで見かけたおもしろい医療系のウェアラブルデバイスを紹介してくれました。心臓疾患の発生を検知するシャツ、どれくらい太陽光を浴びたら危険かを教えてくれる紫外線センサー、足に刺激を加えることで脳に痛みを忘れさせることができるウェアラブルデバイス、背中に貼り付けて正しい姿勢をガイドしてくれるシールデバイス、頭に刺激を与えることで認知症の治療を行うヘッドギアなどが、おもしろかったです。ダニエルさん自身は、尿から健康管理を行うスマート・トイレの可能性を高くかっていました。(2)ウェアラブル×NFCNFC Forum JTF事務局 山下 哲也様NFCが、どのようにウェアラブルデバイスに利用できるのかというNFC側からのアプローチでした。NFCは、モノや情報を結ぶためのコネクターになることを役割としています。Wi-FiハンドオーバーやIATAで推進している搭乗券の電子化などが、その利用例になります。他にもおもしろい事例としては、高級ワインの偽造防止(コルクカバーにNFCチップを内蔵させて中身の入れ替えを防ぐ)、ルームシェアリングサービス(部屋の鍵をNFCキーとして発行する)、医療機器(医療データ収集)などをあげていました。利用と消費を常時接続できるようになるので、お客様の利用状況を把握することができるようになることをメリットとしてあげていました。NFCのライバルにBluetoothがあるので、どう住み分けていくのかが重要だと思いました。(3)タオバイザーのクラウドファウンディングタオソフトウェア株式会社 谷口 岳様GoogleのCardBoardに対抗した3D VR装置の「タオバイザー」をクラウドファウンディングで提供したときの報告がありました。日本人の利用者を考慮してメガネの上から付けられるようにしたことが特徴となっています。クラウドファンディングサイトのモーションギャラリー(MotionGallery)を利用して、583人から137万円を集めたそうです。1台1000円を1000台販売するとして100万円、他に経費を50万円として150万円の資金調達を目標として始めたそうです。送料を抑えるために、クロネコメール便に入る薄さにパーツを加工するのが大変だったそうです。発送にも手間がかかるのですが、短期アルバイトを雇おうとしても2~3日作業で求人するのは現実的ではないので、人の確保も考えておいたほうがよいことがわかったそうです。また、PL法対策として、Thanksカードを同封して、そこに注意事項を記載する工夫もしていました。注意事項としては、実際に入金されるのが1ヶ月半後になるので、それまでに資金ショートしないようにすることと、税金がかかるので申告しないといけないという手間がかかります。結論として1500円くらいで販売するのであれば、元がとれないということでした。クラウドファウンディングを利用しやい人には、非常にわかりやすくてためになる発表でした。(4)未来を作る未完成主義者になろうルネサスエレクトロニクス 第1ソリューション事業本部 主管技師長 清水 洋治様今までに、スマホ2000台、ウェアラブルデバイス300機種を分解調査している清水さんの発表でした。分解してみると中身の30%はアジア製の半導体で占められているそうです。CPUのメーカーも半数がアジア製となっています。スマホはCPUの進化よりもセンサーが増えていることが特徴です。ドローンもセンサーが増え続けていて、現在は3~4個でもすぐに7個くらい搭載するようになり、そのうち20個くらいに増えるのではないかと予想していました。キッチンの上をドローンが飛ぶ時代が来ると予測していたので、これからはセンサービジネスのほうが儲かるのかもしれません。ウェアラブルデバイスの中身もセンサー部、コネクター部、コントローラ部の3つのパートに分かれていて、構造もだいたい同じになっています。差別化をするには、オモチャの延長よりも宝石と同じように扱ってもらうようにするのがポイントだそうです。そのため、宝石屋さんを訪問したりしているそうです。中国では、月に200種類のペースで新しいウェアラブルデバイスが発売されているため、日本は、そのスピードについていけていないという課題があります。その時点では未完成でもよいので、早い手段を選んで世の中に出していくことが重要だと力説をしていました。