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2007.04.04
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テーマ:大学入試(148)
カテゴリ:入試問題検討
再び長らくお休みしてしまいましたが、復活します。

きょうは、2007年度東大理系前期の数学の問題を考察してみたいと思います。
難易度は例年と変化なしという評価が多いようですが、私は、やや易しく、分量的にも小ぶりだったように思います。
ですが、普通の国公立大学のレベルと比較すれば、格段の差があるので、東大理系を目指す受験生は安易な気持ちを抱かないで頂きたいと思います。

第1問の数学的帰納法の問題ですが、東工大でよく見かけるタイプの問題です。
東大受験生なら、証明すべきことが何かということはすぐにつかめると思いますが、数学的帰納法の形にまとめるのが意外と大変な問題です。
東大理系でも上位の1割くらいは、これくらいであれば、構想数分でスラスラと答案を書き上げてしまうのですが、一般的レベルの受験生は、即座に答案を書き始めないで、まず、数学的帰納法の証明のストーリーをじっくり練ることから始めてください。
この問題では、数学的帰納法の構造を考えるところに注力してください。
あやふや点をクリアにしてから、答案を書き始めるべきです。
合格のためには、30分以上かけてでも完答すべき問題です。

第2問は、普通の国公立大学の入試問題として標準レベルの問題です。
余弦定理や極限に関する基本ができているかを見ている問題で、この問題は絶対に落としてはいけません。
逆に言うと、このくらいの問題でも難しく感じる受験生は、まだ基礎力が弱いのです。
難関大学の入試問題にアタックする前に、学校の数学の授業で使うような基礎的な問題集を1ヶ月くらいの間に仕上げてください。
この問題の答案が15分くらいで書けるレベルを目標にして、1日2時間以上、しかもその間、完全に数学に没頭するという感覚で、集中力を身につけながら、スピードもつけながら、みっちり練習を積んでください。

第3問は、単純な2次関数の問題に見えますが、構造的にも複雑で難問です。
解答を書く作業も手間がかかる問題です。
要領の良い受験生なら、論理展開の不備による減点を多少覚悟してでも、計算用紙で計算しつつ、要点だけを拾い出して、グラフや図を多用しながら、解答を書くと思いますが、この問題を懇切丁寧に完璧に説明し尽くそうと思ってしまうと、他の問題に回す時間がなくなります。
本年度の問題でも、6割程度を取れば充分合格ラインに入ります。
無理をせず、各問題のバランスを考えながら、答案を書くように心がけてください。
なお、大学入試問題研究サイトでは、考え易いように「2次方程式の解の配置」という技巧を用いて解いてありますが、この技巧が使える問題は、2次関数の最大最小の問題として解くこともできます(簡潔になりますが考えにくくなります)。

第4問は、受験技巧がものを言う問題です。
東大でも毎年必ず、よく勉強してきた受験秀才の努力に報いてあげよう、という問題を出します。
その中では、「スペクトル分解」はマスターしている受験生の少ないテーマですが、最近、早稲田理工でも出題されています。
他大学の過去問で採り上げられているテーマについても関心を持っていて欲しいという出題意図だと思います。
東大理系を狙うのであれば、一通りの受験技巧はすべてマスターしておくべきだ、ということです。

第5問の確率の問題は、難易度としては大したことはないのですが、場合分けを見落とすと命取りとなります。
こういう問題は、科学技術に対する慎重さ、注意深さを見ようとしているのか、わかりませんが、細心の注意を払う必要があって、意外と正解しづらい問題です。
こういう問題に対処する注意力を養うためには、数学をしっかり勉強するというよりも、友達づきあいにおいて、友人が一つの言葉でどのように感じるかを友人の目の表情から読み取るようなことを普段から心がけたり、ボランティアに出かけた福祉施設で、障害者の方にどのようにケアをしたら良いかを考えたりすると良いのです。
あるいは、いろいろな模擬試験をたくさん受けて、たくさんケアレス・ミスをやって、どうしてミスしてしまうのか、自分の精神構造にまでさかのぼって、自分を見つめ直す、ということも良いと思います。

第6問ですが、(1)の図形的考察は、東大受験生なら誰でも気づけると思います。
説明が面倒なので、この問題は、引いて微分して計算で対処する、と言う方が、答案が書き易いかも知れません。
問題は、(2)です。
本年度の問題では、この問題が最後に来ているので、大ケガをする受験生はいなかったと思いますが、こういう問題が第1問に来ていることもあるので、ハマらないように充分に注意してください。
一度手がけると、その問題が解けるまでその問題のことが頭を離れなくなる、というタイプの受験生は、この問題で、(a+x)/(a-x)=2として、うまく行かなかった時点で、一旦、断念して他の問題に移り、この問題のことを忘れて次の問題に集中する、という精神的なトレーニングを必ずやってください。
ダメな問題にこだわってしまうと、合格切符は逃げてしまいます。

実際の入試では、恐らく、数学を得意とする受験生で、完答している人が数十人はいると思いますが、本年度の易しめの問題でも、私は、合否の分かれ目は5割を切っていると思います。
実は易しい問題が難問に見えてしまったり、単純ケアレス・ミスに気付かずにその先で解答不能に陥ったり、問題文の条件を見落としたり、で、なかなか、思うように解けないのが普通です。
試験会場で、異常心理状態になってしまったり、急激に腹痛を起こしたり、ということもあります。
本年度の問題でも、私は無理に満点を狙わずに、安全を考えて取り組むべきだと思います。
まずは、第1問、第2問を完答することが第一目標です。
英語や理科が得意という受験生は、これだけでも合格できます。
第4問がスラスラ書けるのなら、第5問で場合分けを忘れてしまっても、大きな被害にはならないでしょう。
ですが、第4問で手間取るのなら、第5問も落とすことはできません。
第3問、第6問は、残された時間の中でできる限り取り組んでおけば良いと思います。

試験開始となり、一通り、第1問から第6問まで見渡して方針を立てるときに、第5問の確率が簡単そうだ、ということに、気づけると思います。
ですが、試験会場で易しく感じる問題にこそ充分に注意が必要です。
第5問のような問題でのミスは気づきにくいので、本年度の問題の中では、この問題を最初に解答して、第1問、第2問、スペクトル分解を知っていれば第4問、第6問(1)と解答したところで、一度、この確率の問題に戻り、新鮮な気持ちで問題・解答を見直すと、場合分けの抜けているところに気付き易くなります。
その後、第3問、第6問をできる限り考察し、他の問題の解答を一通り見直してから、最後の5分くらいで、再度チェックする、くらいで万全でしょうか。

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最終更新日  2007.04.04 13:24:43
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