テーマ:本と出版について(527)
カテゴリ:CFV21の理念
CFV21ウェブサイト(http://www.cfv21.com/)が目指しているものについて書いておこうと思います。
CFV21が目指しているものは、一言で言えば、双方向参考書、未来志向の参考書、ということになると思います。 既存の参考書では、解説中の式変形や論理展開の中に理解できない部分があっても、読者は質問もできずにうろたえることになります。 自分で解決できないと、結局、学校や塾の先生に聞くことになると思いますが、先生でも、いきなり式変形の途中を聞かれても即座に返答できるわけではなく、自分でも計算してみて、どういうことなのか確認しなくてはいけません。 生徒が理解できないほどのことなので、先生が考えてもやはり首をひねるようなことが多く、この間に、質問していた生徒の方は、じれてしまうことになります。 やはり、正確を期するのには、その解答を書いた人自身が、どういうねらいで式変形をしているのか、返答するのがベストです。 ですが、読者が質問のハガキを出版社に送っても、その質問が著作者のところに届くのには時間がかかります。 これでは、参考書の読者は、参考書内に不明な点があっても、放置してしまうことになりかねません。 参考書の記述中に不明な点が出てきた場合に、即座に質問できるシステムが必要なのです。 参考書の執筆者から学ぶ人への一方通行ではなく、学ぶ人から参考書執筆者へのアクセスを可能にするものはインターネットです。 参考書ごとにホームページがあって、そこに質問を受ける窓口が用意されていて、読者が疑問点を書き込むと、せめて一日以内くらいに返答が書かれる、というのが、参考書に望まれることです。 これを現実に実践しているのが、CFV21ウェブサイトです。 CFV21の会員になって頂ければ、印刷物の形ではありませんが、教材CDROMを会員にお送りしています。 会員がCFV21のウェブサイトの内容に関して質問を送ると、ウェブサイトに返事が書かれます(例えば、こちら)。 回答に納得がいかなければ、会員は何度でも再質問ができます。 ウェブ化することにより、参考書が双方向になっているのです。 CFV21ウェブサイトでは、基礎事項に関して逐一説明ページを作り、入試問題の解答ページなどから参照できるようにしてあります。 基礎事項に関して疑問が生じても、索引など引くことなく、即座に基礎事項へのリンク先に飛ぶことができます。 こうしたページを各参考書ごと、あるいは、出版社ごとに用意すれば、基礎事項を忘れていても即座に調べることができるし、その場で基礎事項の復習をすることもできて、時間の節約とともに、学習効果は絶大です。 対象を参考書購入者に限りたければ、ウェブサイトにアクセス制限をかけることも容易です。 最近は、レンタル・サーバーの価格も安く、見た目に凝らなければ、ウェブサイト運営費を極めて低く抑えることも可能です。 参考書のウェブ化は、私が自分自身でやるよりも、本当は、東京出版や数研出版のような大手出版社、あるいは、東進ハイスクールのような先進的なことに熱意のある予備校が、数学物理学教育の専門家の力を借りて手がけるべきかも知れない、と、思います。 ですが、雑誌「大学への数学」編集部にも、何度も提案していますが、ウェブ化については、全く相手にされていない状況で残念に思っています。 明日の日本を担う優れた人材を養成するために、参考書をインターネットを利用して双方向化することは必須です。 恐らく、インドや中国では既に研究も進んでいるのではないかと思います。日本が、インドや中国の後塵を拝する事態になって良いのでしょうか? 昨年は関孝和没後300年であったのにもかかわらず、和算関連の本は見向きもされず、インド人の数学の本が書店に平積みされていて、日本人のプライドというものはなくなってしまったのでしょうか? 出版社の方でこちらをご覧の方、もし、未来志向の参考書を制作するのであれば、ぜひ、cfv21にお声かけください。 参考書を執筆するほどの余力はありませんが、ウェブ制作関係においては、幾多のご提案、また、お手伝いができると思います。 大学入試問題研究サイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.05.12 03:48:54
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