Challenge from the VOID

2011/01/23(日)22:19

2011年センター試験数学IIB

入試問題検討(10)

センター試験数学IIBをやってみました。 来年以降、受験をお考えの方のために、感想を書いておきます。 昨年から数学IIBは幾分易しくなっていますが、ことしも引き継がれています。 微積や空間ベクトルの計算が複雑化しないように、また、途中でミスに気がつけるように、という配慮が見られるようになりました。 以下、各設問を見ていきます。 第1問[1]は、三角関数を含む関数の最大最小の問題です。 置き換えを行って2次関数の最大最小に持ち込むのですが、誘導がついているので、指示通りに計算するだけです。半角の公式と合成の公式を使うだけなので、ここは落とせません。 [2]は与えられた対数不等式を満たす自然数を求める問題です。最初は底の変換を行って不等式を解くだけです。ここも落とせません。 最後の枠が、どうするのか悩むかも知れませんが、自然数xに10とか11とか12とか、値をあてはめてみれば、答えはすぐにわかります。 第2問は微積分の素直な計算問題です。放物線がy=x2という簡単なもので、微積分の計算も複雑にならないように設定されていて、基礎事項の理解を見ることができるように、従来の計算問題よりもずっと工夫されています。 また、問題文の中に、計算結果が正しいかどうか見直すことを促すような記述が見られるのも改善点の一つです。 センター試験の微積分の問題としては、本問のようなもので良いのではないか、と、私は思います。 第3問は数列の問題です。漸化式の問題としても解くことが可能な問題ですが、階差数列を考えて解くような誘導がついているので、これで考えるしかありません。 誘導に乗れば、指示通りに手を動かすだけです。 後半は、(等差数列)×(等比数列)の形の数列の和を求める問題で、これもよくある問題です。ここは、少し大変な計算になります。ですが、実力派の受験生なら、何でもないでしょう。 ただ、個人的には、もう少し基本的な問題でも良いのではないか、という気がします。 第4問は空間ベクトルの問題です。 空間ベクトルの問題なので、どうしても、計算は面倒になります。内積の値を最初から与えておく、というような工夫をすれば、もう少し計算力よりも思考力を見る問題も可能だと思います。 親切な誘導がついているので、誘導通りにミスなく進めて行けば、最終解答に問題なくたどりつけるでしょう。従来の空間ベクトルの問題と比較すれば取り組みやすい問題です。 受験生の皆さんは、この程度の問題で最後までミスなく計算を進めていけるように、トレーニングをみっちり行って頂きたいと思います。 全般的に、実力が結果に反映されるように、工夫された出題がなされるようになってきました。 一時は、東北大学で、センター試験結果は2次試験の結果と全く相関がない、などとする調査結果も公表されたりしましたが、本年のような問題であれば、相関はかなり高くなるだろうと期待できます。 今後も、こうした数学の実力が反映されるような問題が出題されるように期待したいと思います。 追記(1月23日) あれあれ、大学入試センターの中間集計では、平均点は52.46点で予想外に低くなっています。 ことしの問題で、数学IAが高く、数学IIBが低いというのは不思議ですね。数学IAで疲れてしまった、というようなことでもあるのでしょうか? 数学IA、IIBともに標準的な出題で、数学をよく勉強していた受験生には取り組みやすかった、というのは共通です。 大学入試問題研究サイト

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