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カテゴリ:『夜遊び顛末記』
その男は、腹の溢れ出た肉を、ベルトの上にひょいと乗せ ゲップを一つ吐く。口には爪楊枝をはすに咥えて、しきり にシーシーと音をたてては、眉間に皺をよせ、目を瞑る。 息が胃の中から逆流してきた物と、煙草お匂いで悪臭を 放っている。 そんな男を目の前に、雛壇に並ぶ女達の殆どは下を向き あっちを見ている。 今夜、これからこの男に連れ出されて、欲しいままにSEX されると考えただけで、反吐が出そうになるのだろうか。 流石にこんな男でも、女を買うことに慣れており、自分 の姿形を、忘れてしまったのか、どんなに若くて、綺麗な 女も、自分の意のままに、抱けると信じていた。 日本に居る頃、援交で連れ込んだ、女子高生に事の寸前 に逃げられた。その若い女の捨てセリフ。 ---キモイしぃ、臭いしぃ。最悪ぅー。 それ以外にも、金をうず高く積んでも、誰一人その男の 意のままには成ってくれなかった。 ところが、初めて来たこのタイの地で、甘味な蜜の味を 知ってしまった。 最初は、自分の股座を抓ってみて、夢ではないことを確 認したりもした。 それ以来、その男は、月に一度タイにやってきて、連日 女を買い漁った。 ---アナタが大好きデス。恋しい。 こんな甘い台詞まで手に入れ、そして男は思った。 ---(これが、俺の本当の姿かもしれん) 日本に帰っても電話、メールで矢継ぎ早に、女から連絡が 入ってくる。 ---次、いつ来ますか?恋しいなぁー。 メールを読むその男にもはや、分別の欠片もないくなって いる。 しかし、何がどう狂ったのか、ある時から、タイ人女にも 相手にされなくなった。 男には、理由が、さっぱり分らない。 ある女が証言した。 ---キモイんだよ。臭いしぃ。金貰ってもイラネーェ。 女は指名されてもBPには応じない。店のママもこの男の クレームだけは聞き入れ無かった。 ---ゴメンナサイねぇー。あの子、急に生理なったらしいの。 この男が来ると、店の女は皆、生理になるらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 20, 2006 10:29:36 AM
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