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October 27, 2006
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カテゴリ:『タイと人』

男は小さな会社をタイで経営していた。
住み辛く、ギスギスした日本に嫌気がさして、この地に
やってきた。

 もちろん、初めてやって来たわけではない、会社勤め
をしていた頃、出張で何度かやって来たことがある。
 それ故に、この国の良さを知っていた。少なくとも今
の日本人の心から消えてしまったものが、ここにはある
と思っていた。
 女はみな、純粋で男をたて、親兄弟を大事にし、仏の
道に信心する人々。一年中、熱い陽が降り注ぎ、幾種類
もの熱帯の果実を楽しむことができ、海産物にも事欠か
ない。
 そんな地は「JAPAN」というブランドは強かった。し
かし、赴任してきた時に男は心に誓っていた。

 ---いつも同じ目線でいなければ。

 そう、よく日本人の駐在にありがちな「驕りの心」

 ---やっぱり、タイ人か。。。

 そんな見下した視線で自分の社員を見ることだけはし
ない。
 そう固く思っていた。

 その男の会社は軌道に乗り、タイ人社員達もよく働い
てくれた。その男はよく、タイ人と話をした。つたない
タイ語も年を重ねるごとに上手くなっていった。

 新しく、タイの地で事業を考えている、日本人経営者
にとっては、これが「鑑」だと言う様な存在となっていた。

 ある日、新しくタイで事業展開しようとしている若い
経営者が、その男を訪ねた。

---色々、教えてください。
---いえいえ私どもが教えるなんて。。。

 そう謙遜しながらも男には自信に満ち溢れていた。
 タイで事業をする上で最も困難とされる従業員の管理
教育で、自分は「成功」しつつあるのであるから、それも
当然かもしれない。

---タイ人労働者を管理する上で一番のポイントは何でしょう?

 男は、柔和な笑顔とともに即答で答える。

---同じ目線で仕事することでしょうか。

---よくタイ人は時間にルーズだと言われますが、これも同じ
  目線で捉えねばならないのですか?

---時間にシビアであらねばならないのは、どこの国でビジネスを
  する上でも大切なことですから、根気良く教えねばなりません。

---なるほど。で、社長は辛抱強く、根気良く接してこられたわ
  けですね?

---はい。そのつもりですが。。。

 若い経営者は、「指針」を得て帰っていった。

 ある時、この男の従業員が、日本人には考えられないようなミス
を犯した。単純なミスであったので、男は怒りもせず、笑顔まじり
に軽く注意をしただけに留めた。

 そして幾日も経たないうちに、また同じミスを犯した。今度は男
も真剣に叱り付けた。

---同じミスを何度もするな。

 それから、何度か同じことがあった。タイ人従業員はまるで反省
の色が無い様に男に映った。
 男は、煮えたぎる頭を冷静にしようと、その男の経歴を見直して
みることにした。履歴書のファイルを見ながら思った。

---ああぁー。ポー6かぁ。。。

 その従業員は小学校の義務教育を終えただけの男であった。

 翌日から、男のその従業員を見る目が変わった。

---(所詮、小学校出の人間に何を教えても無駄だ)

 そんな風に思ったのだ。

 それから男は、従業員がミスをする度に、その者の履歴書を開い
ては納得していた。

---(流石に、タイ人と言えども大卒なら言えばわかるはずだ)

 そして、大卒の者には、一から十まで物事の「理」を説いた。
 その者は二度と、ミスをしなくなった。

 男は得意満面にこのことを吹聴して廻った。

---所詮、小学校卒は。。。

 それから、その男の会社はおかしくなった。男にとっては何も変
えたつもりは無かったのであるが、車内の空気が変わった。
 大卒は、肩で風切って歩き、自ら仕事を選び、汚れる仕事を嫌い
プライドだけが先行した。

 小学校を出ただけの従業員は皆、辞めた。中間層の高卒や高専卒
の人間はそれぞれのグループを作り、決して交わろうとしなくなって
いた。

 見る見るうちに、澱んでいく水。

 そして、遂に行き詰まった。

 「タイで成功した経営者」 かつての賞賛が空しく男の胸に響く。

 その男が以前に指南して説いた若い経営者が、どこかのホテルで
講演会をしていた。

 『タイで成功するための労務管理術』そんな内容だった。

 会場にその男の自信に溢れた声が響いている。

---第一にはですね、タイ人と同じ目線に立つことです。。。そして
 
  本当に。。。このことを実践出来ているのだろうか?
  その様に時折胸に手を当てて考え直すことが必要です。



 その若い経営者は、男の失敗からも学んでいた。。。
 





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Last updated  October 27, 2006 11:03:26 AM
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