昔この物語の映画を見たことがあり、好きだったなぁと久しぶりに手にとり読みました。
やっぱり大好きでした。
最近は、読めば何かを得ることができそうな本を読むことが多かったのですが、小説に没頭する時間は、幸せでした。
子どもが夏休み中なので、仕事ではない日も子どもと共になので、隙間時間を見つけては数ページずつ読むって感じだったので時間がかかっちゃいましたが、
少し読むだけでも、気持ちがリセットされ、やっぱり本は楽しいなぁと思う時間でした。
この本は、高知県庁に実在するおもてなし課を舞台にした、物語はフィクションのお話です。
県の観光発展のため奮闘し成長していく主人公の掛水くんと、まわりで支えたり一緒にがんばっていく魅力的な人たちとの物語で、恋愛要素もあり、自分を見つめ直したくなる言葉もたくさんありの、すごく満たされた気持ちにさせてくれる一冊でした。
このお話では、いくらお金をだしても手には入らない、
自然豊かな土地、海亀の産卵や日曜市など、地元にいたら気づかない素敵な観光資源がほんとはたくさんあることに気づき、観光客をもてなして楽しませるということをすごく高い水準で行うことで、高知県を盛り上げようと奮闘します。
フィクションとのことでしたが、知っている名称があちこちにちりばめられているのと、掛水くんと多紀ちゃんが感じるリアルな感想に、高知県を観光しているような錯覚になり、ちょっとした旅行した気分も味わえちゃいます。
こんな人が身近にいたらいいなと思わせてくれる清遠さん。
この人の助言は、ささります。
「きちんと自覚してプロデュースしたら、すごい武器になる」
それは仕事でも、このブログでも一緒のように思えました。
このブログは、ただ好きだと思った本や、知っていたら生きやすくなるかも、子どもさんといい時間過ごせるかも、保育園看護師さんが働きやすくなるかも、みたいなことを書いているのですが、まだこの本でいうバラバラな状態かなって思います。
ここにきたらなんかいいのに出会えそうって思える場所になれるようにがんばりたいって、そんな気持ちにも、させてもらいました。
少し気になり調べてみたんですが、2007年に発足された高知県庁のおもてなし課は、2022年には惜しまれつつ統廃合という形でなくなっていました。
しかし、おもてなしトイレやおもてなしタクシーなど、たくさんのおもてなしを掲げ、高知県はおもてなしのイメージが定着したと思う。これからもさらにおもてなしを進化させていきたいと、当時の課長さんが言葉を残されていました。
実際の発足のほうが先ですが、有川さんがおもてなし課を舞台に小説にすることでさらに注目が集まり、県や県民の意識も大きく変わったんだろなと思うと、本の力も人の力もすごいなって、改めて思いました。
ほんとに素敵な本です!
おすすめです♪
県庁おもてなし課 (角川文庫) [ 有川 浩 ]