愛おしい。
そんな言葉じゃ足りないくらい
語彙力が足りない自分がもどかしいくらい
愛おしいが詰まっている物語でした。
息子は小学校で先生が読んでくれたことがあるそうで、
悲しいんだよと、いうこの本。
「木曜日は本曜日」というYouTubeで、
上白石萌音ちゃんが紹介もしていたこの本。
きつねのぬいぐるみのこんと、
あきちゃんという女の子の
おばあちゃんのお家にいく物語。
道中、色々なピンチがおこりますが、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と、
こんはあきを心配させないように、
何度も何度も、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と
言います。
こんだけでなく、あきちゃんも、大好きなこんのために、がんばります。
そのあきちゃんのがんばりに、
だいじょうぶと言い続けるこんに、
なんとも言えないあたたかくて、優しい気持ちが、
胸いっぱいに広がります。
こんがいなくなってしまったときの寂しさと、どうしていいかわからない気持ちが、
息子が先生に読んでもらったときの、
この本、悲しいんだよ
だったのかなと思ったりしました。
たしかに、私も小さい頃、そんな言葉では言い表しにくい、寂しいような、悲しいような、どうしたらいいかわからない、すごく不安な気持ちを、いろんな場面で感じていたように思います。
大人になると、大抵のことは自分でなんとかできるし、
先のことも見据えることができるので、
そんな子どものときのような不安感みたいなのは忘れてしまっていましたが、
この絵本と息子の素直な感想に、
小さい頃のあやふやな言葉にしにくいあの感情を思いださせてもらいました。
そして、何よりの魅力は、
あきちゃんのなんとも言えない表情や仕草です。
この年頃にしか見れないあどけなさ、愛おしさが詰まっています。
まだ手の届くところにあるこの愛らしさですが、
息子たちが大きくなったとき、
またこの絵本で、この表情を見たとき、
私は涙してしまいそうです。
それは悲しさからではなく、
いい思い出であるように、
いい年の重ね方を親子共にできているように。
私のできることは、
こんのように、大丈夫だよと背中をおしながら、
子どもと一日一日を大切に、幸せな時間を積み重ねていくことかなと思うので、
また笑ってこの絵本に出会えるように、がんばりたいなと思ったりしました。
きっと、あきちゃんくらいのお子さんを育てられている方は、大変のほうが多いですよね。
毎日、本当におつかれさまです。
愛おしいだけでは、やってられない。
私も同じです。
だけど、今はずっとは続かないと思うので、
愛おしい瞬間をたくさん見つけながら、
ぼちぼちやっていきたいですね!
お子さんにも、大人の方にも、
心に残る何かがあるかなと思う一冊でした。
おすすめです♪

こんとあき (日本傑作絵本シリーズ) [ 林明子 ]