なんか考えさせられる物語でした。
気のいいオオシカのツノに、いろんな生き物が棲みついてしまうのですが、その中にはオオシカの頭の毛をむしり取って巣をつくってしまうものから、ツノに穴をあけてしまうキツツキや、重たいクマまでものってきてしまいます。
重たいし、痛いと思うのに、気のいいオオシカはお客さんには親切第一と、下ろそうとはしません。
そのうち、仲間からは、変わり者とされ、群れから追い出されてしまいますし、お客さんたちがいるから川も渡れず、ごはんにもありつけなくなってしまいます。
そして、変わったツノをもつオオシカは、猟師さんたちの的になってしまいます。
さぁ、オオシカはどうなってしまうのでしょうか?
ただただ優しいオオシカですが、ずる賢い生き物たちにどんどん良いように利用されていってしまいます。
そして、本文のなかでも、
「もし、これが きみなら
きみなら どうする?」
と、投げかけられます。
きっといろんな意見がでるだろう物語だなって思いました。
どれも大切な気持ちだろうし、誰に重きをおくかで、気持ちは変わってくる物語。
最後は、あぁよかったとほっとできる結末ですが、ひやひやはらはらとし、考えさせられてしまいます。
人に優しくありたい気持ちと、自分も守らないといけない気持ち。
これが正解なんてないだろうけど、どう思う?と考えることが大切なのかなと思いました。
もう終わってしまった夏休みですが、もし来年以降、
読書感想文でどの本にしようか迷ったときは、候補の一つにいいかもって思った本でした。
おすすめです!

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