
雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら [ 東畑 開人 ]
「雨の日の心理学」の続きです。
この本を読み終えて、一番心に残ったところは、
「ケアする人が元気でいることは、ケアの前提条件で、究極の成功要因」ってとこでした。
ケアする側のつらさの原因について、
つらさは感染するから。
がんばってケアをしても評価されにくいから。
わかりやすいゴールになかなか辿り着けないから。
などがあり、自分が抱えていたもやもややしんどさを、自分でもわかり、わかってもらえた気がしました。
そして、身近な人をケアしながら、どう自分は元気でいるかも書いてあり、それもすごく心に残りました。
「贅沢をすることは、自分を人間扱いすること」。
「ケアの勉強をすることは楽しいし、相手に変化があったらうれしい」。
自分を人間扱い‥なかなかできていなかったことに気づきました。
そして身近な人の心が、雨の日が続くと、早くやんでくれと願い続けていたけれど、なかなか変わらない。
大きな変化を望みすぎていたんだと気づきました。
大雨の日もあれば、小雨の日もある、時々晴れ間が見えるときもある。それでいいのだと、知りました。
ケアをしながら、勉強し、小さな変化に喜ぶ。
人と一生懸命繋がれている証拠なのだと、思うことができました。
そして、ケアする側からの視点だけでなく、
心に雨が降っている人の気持ちも、最後まで読むことでより理解を深めることができました。
言葉にできない想い。違和感。ぶつけてくる苛立ち。
相手の「わからない」だった行動には、たくさんの葛藤やちゃんと理由があること。
全部を理解することなんてできないと思うけど、
こんな精神状態なのかもしれないと、こちらが考えることができるだけで、わかろうとすることだけで、救われる何かがあるのだと知りました。
そして、失敗してもまたやり直せばいいんだよという言葉にも背中を押されました。
急にはじまってしまう「雨の日」。
それは簡単にはやまない雨のことが多くて、
自分自身の場合もつらいし、
そばで見守る側の場合もつらい。
どちらの場合のときでも、心理学を通して、
今ある不安やもやもやの原因や対策を知ることで、
気持ちやケアが楽になることを知りました。
みなさんの心が晴れの日であってほしいですが、
もし雨が降ってるよって方がおられましたら、
読み終えたとき、きっと雨や景色や身近な人が違って見える本だと思います。
おすすめです♪