
いつもいっしょに [ こんのひとみ ]
この絵本は、1人目の息子が産まれてすぐくらいに、
母親が買ってきてくれた絵本でした。
読んですぐの感想は、
なんだろ‥この暗いかんじは。。
これで終わるのか‥でした。
たぶん母は、かわいい絵の表紙に惹かれて買ってくれたものだと思うのですが、産まれてまもない子どもに読み聞かせるような本ではなかったのですが、なんとも言えない余韻を残したのだけは覚えています。
そして月日はすぎ、2人の息子たちは、度々この絵本を読んでーと持ってきては読み、今に至ります。
そしてじわじわ、私もこの絵本の奥深さに惹かれていきました。
この本のもつメッセージ性は大人にも響くように思うのですが、子どもたちも定期的に読みたくなるポイントがたくさんあるように思います。
物語の登場人物は、くまとうさぎのみ。
ひとりぼっちだったくまのところに、急に現れたうさぎ。
くまは、ごはんを作ってあげたり、あれこれうさぎが喜びそうなことを、喜んでします。
今までひとりでやっていたことも、うさぎとならとっても楽しい!
なのに、うさぎはニコニコしてるだけで、何も言ってくれません。
だんだんくまは、なんでなんにも言ってくれないの?と思い始めます。
そして、その思いが爆発して、うさぎにぶつけてしまいます。
さて、どうなってしまうのでしょうか‥。
これを読んでいつも思うこと。
それは、くまは私だってこと。
結婚当初や子どもが産まれて間もないときは、何もかもしてあげたくて、何をしていても幸せで。
なのにどんどん、私ばっかりしんどいことしてるって、いろんなモヤモヤやイライラが募り‥。
だけど、結婚したことも、子どもといる生活も、自分が望みに望んだ生活であって、今すごく幸せな真っ只中にいるのに、なにをやってるのって自分に問いかけたくなる、幸せってなんだろって考えるきっかけを、いつもこの本からもらいます。
初めて読んだときに感じたなんだか薄暗い雰囲気も、
くまの気持ちに合わせた色遣いで、読んでいて、どんどん引き込まれていくんです。
子どもたちは子どもたちで、
この本の好きポイントが色々あります。
まず、手触り!
「この本、気持ちいいね」って言います。
そうなんです。
本の一枚一枚のページが、分厚さといい、手触りといい、光沢といい、なにか他とは違い、すごく気持ちがいいんです。
ほんとに触って体感してほしいです。
そして、くまが使うお料理道具も気になり、これはどうやって使うのかなと、想像力をかきたててくれます。
最後、くまがたくさんたくさん泣くところも。
なんで泣いてるのかなって小さい頃は言っていたのに、寂しいのかなとか、嫌なこと言ったからじゃない?とか、小さい頃とはまた違った感想をもつようになり、
子どもたちの成長を感じたり、優しい気持ちをもっているなと実感したり、いろんな気持ちをもらえます。
おもしろくて、明るいお話も大好きですが、
じっくり、しっとり、向き合うこういう絵本も、やっぱり素敵だなと、いつも思わせてもらえる一冊です。
「いつもいっしょに」。
このタイトルに込められた意味や、読んだときにいつも思う家族への想いなど、忘れたくないなと思います。
絵本って、いいですね^_^
おすすめです!