久しぶりに読み聞かせをしていて、泣きそうになるのを我慢しながら読む絵本に出会いました。

チューリップさいた/くすのきしげのり/よしむらめぐ/子供/絵本【1000円以上送料無料】
物語は、保育園が舞台。
年中さんかな?と思われるクラスで、みんなで春の絵を書こうとなりました。
しんごくんは、チューリップの花壇を前にし、画用紙一面に茶色と黒色で、ぐちゃぐちゃーっと土かなと思われるような絵を書きます。
それを見ていたさきちゃんは、
「ああっ、この え ちがう!」と
しんごくんの絵を見ていいます。
それを聞いて、他のお友達や先生も、
「チューリップじゃないよ」
「春の絵をかくんだよ」
「おはなしきいてなかったの?」
「へんだよ!」
など言われ、しんごくんは、なにも言えなくなり、絵を隠して泣いてしまいます。
その様子を見ていた園長先生は、
「そうね、しんごくんは、いっしょうけんめいチューリップをかいたのよね」と言い、しんごくんは泣きながらうなづきます。
その土の下には、しんごくんが植えたチューリップの球根が埋まってあるところで、早く芽がでたらいいなと応援したい気持ちで書いた絵だったのです。
そのことがわかったお友達や先生反応も素敵ですし、
素敵な最後が待ってます。。
こういう時ってあるよなって思う場面がたくさんで、
しんごくんの気持ちも、さきちゃんの気持ちも、先生の気持ちも、どの立場もわかるぶん、ぐっときてしまうお話でした。
純粋で一生懸命なしんごくん。
みんなに否定されてしまい、絵を隠して泣く姿を見て、私は同じことをしてしまっていないかなと思いました。
さきちゃんや先生のように、全く悪気はなく、こうしたほうがいいよと良かれと思って言った言葉で、傷つけていないか。
見方によってはただの土、悪い言い方をしたら下手な絵の中に込められた優しい想いに、どこまで知ろうとし、気づくことができ、共感することができるか。。
作者のくすのきしげのりさんが書かれた、
「あとがき」が、また素敵でした。
「一人ひとりみんな違う大切な子どもたち。
一人ひとりに、その時々で揺れ動く心があります。
どうか、しんごくんのお友だちや先生が気づいたように、子どもたちの心の動きや考えについて、
わかったつもりで、実は、わかっていないことがあるのだということを忘れないでください。」
と、書いてありました。
ガツーンと頭をたたかれた気持ちになりました。
わかったつもりで、わかってないことがあるのだということを忘れないでください。。
その通りだなと思いました。
この子はこうだもんなみたいな色眼鏡で見てしまい、
その場その場で、自分の意見を押し付けてしまっていないか、しんごくんのような想いを隠し、1人心のなかで泣いていないか‥
今一度自分の言動に気をつけていきたいと、心から思いました。
春らしい絵と、なんとも親しみやすい優しい絵。
あっかわいい絵本だなと手にとった絵本でしたが、
すごく大事なことに気づかせてもらった一冊でした。
新学期も始まりそろそろ一ヶ月。
息子たちに今日はどうだった?って聞いても、
上の子はもう「まあまあ」くらいしか返ってこなくなりました。
根掘り葉掘り聞くのもなぁと思い深くは追求していませんが、まあまあの中には、嬉しかったことも嫌だったことも色々ある、まあまあなんだろなと思います。
大人も子どもも、毎日自分にできることを精一杯やってのける毎日ですよね。
見えない部分を想像し、わかろうとする。
全部を全部知らなくてはじゃなくてもいいかなと思うから、頑張ってる毎日があることだけは忘れず、この週末は思いっきり、のびのび息子それぞれがやりたいことがやれる時間を作りたいなと思いました。
みなさんも、素敵な週末をお過ごしください^_^
「チューリップさいた」。
本当に素敵なお話でした。
おすすめです!