みなさんは、朝ドラ「あんぱん」、ご覧になっておられますか?
私はもう何年も朝ドラから離れてしまっていましたが、「あんぱん」は始まる前からなぜか気になり、
ほんとに「ちゅらさん」以来になりますが、録画予約しながら見ています。
誰もが知ってるアンパンマンの作者が、やなせたかしさん。名前は知っていましたが、どんな方かとは考えたこともありませんでした。
ですが、「あんぱん」を見ていくうちにどんどん気になっていき、本屋さんではやなせさんに関する本を見つけては読みたくなり、今回購入したのは
「やなせたかしの素顔 のぶと歩んだ生涯」です。

やなせたかしの素顔 のぶと歩んだ生涯 (潮文庫) [ 伊多波 碧 ]
みんなが大好きアンパンマン。
保育園で働いていますが、アンパンマンを知らない子、嫌いな子に出会ったことないんですよね。
私も息子たちも、アンパンマンを見て育ちました。
なにげなく見ていたアンパンマンに、こんなに深い想いが詰め込まれていたことに、この本に出会い、初めて知りました。
朝ドラ「あんぱん」はまだまだ放送中ですので、ネタバレはしたくないので、本の内容は今回は割愛させていただこうと思いますが、ドラマとは違った部分もたくさんあり、どんどん引き込まれていく一冊でした。
お腹をすかせた人が目の前にいたら、自分の顔をどうぞとする。
その行動に込められた意味を考えたことなどありませんでした。
寂しい思いをしてきた幼少期の思いは消えませんし、
大切な人たちを亡くした経験、
読んでいても辛すぎる戦争では、
戦争はおかしい、正義は逆転することもある、飢えている人がいたら自分のもっているパンをわけることこそが正義だ、など、強い芯となる想いができたのは、
たくさんの痛みを知っているやなせさんだからこそで、
痛みを知っているからこそ、同じ痛みで苦しんでいる人に手を差し伸べることができるんだと思いました。
そして、ずっと抱えていた劣等感。
こんなにも有名な人が、こんなにも劣等感を感じながら生きてきたなんて、考えたこともありませんでした。
ですが常に、自分はできないんだから、やり続けるしかないと続けてきた、本当は、ものすごく強い方。
そして、それをそばで明るく前向きに見守り、背中をおし続けてこられたのぶさん。
劣等感を持ちながら、結果がついてこないことをあきらめないでやり続けることが、どれだけ難しいことか。
常に夫を信じ、前向きに夫を支えることが、どれだけ難しいことか。
どれもこれも難しいことを、投げ出さず向き合い続けた結果が、たくさんの物語を生み出し、何十年と誰からも愛されている今に繋がっているのだと、知りました。
アンパンマンの歌詞の意味。
アンパンマンの行動や優しさの原点。
たくさんのやなせさんの伝えたかった想いを知ることができ、アンパンマンを見る目が大きく変わりました。
0才の子どもも大好きなアンパンマン。
お腹をすかせたひとがいたら、自分の顔をどうぞとできる。
それを見て、育つ子どもたち。
「なんのためにうまれて、なにをして生きるのか」を聞いて大きくなる子どもたち。
きっと、人に優しい、そして自分としっかり付き合える人たちに育っていくのでは‥
やなせさんの想いは、ずっと優しく引き継がれていくのでは‥と、読み終わって思いました。
これからも朝ドラ「あんぱん」を応援しつつ、
やなせさんが伝えたかった想いを、私のなかでも大切にしたいこととして忘れずにいたいなと思いました。
出会えてよかったと思えた一冊でした。
おすすめです!