心の底から、この本に出会えてよかったと、
読み終えたとき思った本でした。
「カラフル」

カラフル [ 阿部 暁子 ]
物語は、怪我をして走ることをやめてしまった高校一年生の男の子と、病気で車椅子ユーザーになった高校一年生の女の子を軸に、同級生や家族、支えてくれる人たちが、思いを重ねていく物語。
障害があるない関わらず、
すごく上手に生きているように見える人にだって、
悩みも、不安も、自分を好きになれないところも、自信がもてないことも、人には言いたくないことも、偽りの自分を装って生きていることも、何かしらを抱えて、この生きにくい世の中を生きていて。
本当に色々な考え方があり、ぶつかることももちろんあって、そのときどうするべきなのか‥。
私は、大抵自分の気持ちには蓋をし、相手が求めることに合わせてきてしまったのですが、
この物語のなかでは、それぞれの思いをちゃんと言葉にするシーンがたくさんでてくるんです。
綺麗な言葉で、相手に合わせて、ゴタゴタしないように空気を読んで終わりじゃなくて、
相手を攻撃したい、傷つけたい、負かしたい、
でもなく、
ちゃんと本音を、相手に届くように、届けるよう努力する。
結果は、現実は、そう甘くはなくて、思い通りになんてならないことのが多いけれど、
想いを口にしたこと、想いを伝えあえたこと、
相手の痛みや考えてることを知れたことは、
結果以上に、得るものがあるのだと、
この物語で知ることができました。
人それぞれ考え方は違う。
そんなこと、どの本を読んでも書いてあるし、
そんなこと、今更言われなくてもわかっているよと思っているのに、
現実では、なんで?と思うことがたくさんあり、
信じられない‥なんでわかってくれないの?と、
一人で傷つき、相手に対してイライラしてしまうことがあるなか、この本に出会い、
優しく、だけど力強く、
それで、あなたはどうするの?と、
問われたように思いました。
いろんな人がいる。本当にカラフルです。
そのなかで、どう向き合うか。
まっすぐに、誠実に、気持ちを届けあいさえできれば、
きっと未来は明るいものになる。
一生忘れない景色、瞬間が待っているかもしれない。。
読みながら、たくさんカラフルな瞬間を感じることができ、胸がいっぱいになりました。
素敵な言葉も、たくさんでてきます。
映画化されたら、絶対に見にいきたい!
本当に素敵な本でした。
おすすめです!