豊田行二訳『それでも私は日本人になりたい』A・ホルバート著
「豊田行二」のGoogle検索「タイトル 豊田行二」のYahoo!検索***訳者:豊田行二出版社など:日新報道出版部発行年月:昭和51年7月5日 本体価格:850円ISBNコード: 目次まえがきI金髪は日本人になれないのか―ナナメに見たニッポン人外人らしくないとつきあってもらえない/黒人がデカイというイメージも無用だ/一緒に遊んでもらいたい/「亡命」が絶対にできない不思議な民族/どこの国民になるかは個人の自由/“パニック”を冷静に切り抜けられるか/議論は避けるべきではない/なぜ、外人に劣等感を持つのか/嘘を厳しくとがめない日本人/日本人の集団性/日本人は自意識過剰/「甘やかし」は個人主義の否定になる/自分のネコは可愛がるが、ノラ猫には冷たい/自分の庭は掃くが公園には無頓着/寄付になぜ税金をかけるのだろう/日本のルールは厳しすぎる/個人主義と責任II良妻賢母は商品か―ナナメに見たヤマトナデシコ日本の女性はすべて“売りモノ”である/日本の若い女性の唯一の興味は「男性」/バカな女が歓迎されるから、女はバカになりがたる/女は黙ってオレンジジュース/日本の女性は“奴隷”なのか/日本の女性は働かない/結婚すると勤めをやめる“不思議”/女性も浮気をするべきです/処女が威力を発揮する国III雑多な国ニッポン―ナナメに見た日本列島<資源>日本は貧乏か/資源があるから豊かだ、とは言えない/突然の親アラブ主義について<教育の頂点・東大>なぜ、東大は学生の定員をふやさないのか/受験地獄もカネ次第/大学で何を学ぶか/東大OB飼殺し論<創価学会>これ以上は大きくならない/創価学会と回教徒/新興宗教とは「ヘンなモノ」なり<天皇>天皇は「利用される人」/天皇にぶらさがる宮内庁/皇室とイギリス王室/天皇は危険な存在か/王様の“輸入”/不自由な人、天皇IV隣の国と仲良しか―ナナメに見た日本人の国際感覚あるバーにて/なぜ、韓国人学校があるのか/民族の“血”はナンセンス/異民族との同化にこだわる必要はない/日本人に外国名前は一人もいないVホルバート版・日本人とユダヤ人―ナナメに構えたユダヤ人の言い分日本に反ユダヤ主義はない/ユダヤ人は「世界の狐」ではない/尊敬に価いするもの/“差別”に理由はない/迷著『日本人とユダヤ人』の評価/私にとって「イスラエル」とは/“差別”は“悪循環”である/キリストはユダヤ人だVI知っているが喋れない英語―ナナメに見た日本人の“英語”なぜ、子供を外国に出さないのか/英語に“ルール”は要らない/日本人の“舌”は短いか/英語の教え方はむずかしい/何のために英語を学ぶか/日本語との出会い/バカげた大学の「入試問題」/「文法」は言いわけである/和製“怪物英語”/“死んだ英語”が横行しているVIIポルノはダメでもトルコがある―ナナメに見た日本文化“ヘア”はワイセツか/禁止はポルノへの興味をかき立てる/知恵を働かせろ/ああ、取締りのこの矛盾/ジャーナリストは心を売らない/カルテル化されたニュース/「ドカン!」三回で「爆発三回」と書く/青い目の記者の“手の内”/作家のコマーシャル/袋小路の思想/“内”と“外”VIIIそれでも私は日本人になりたい―ナナメに見た“神様に選ばれた民”金髪碧眼の日本人/善意の“人種差別”/日本人になる方法/“シオカラ”を食ってもダメか/アパートへ入れない/それでも私は日本人になりたいあとがき感想など・太字引用・雑談注意作者は1946年生まれのユダヤ人。日本のよいとこ、?なところを軽い調子で綴ってあります。いや、?なところの方が多いかな。印象的だったのが、ヤマトナデシコのところで、青山学院大学の春木教授のことが出てくる。私はこの事件を原田智子の漫画で知った。それに加えて、筒井康隆「強 姦してもいい場合」にも似た事件について書かれていたから(被害者が26歳となっているそんな事件があったのかと検索すると黒木瞳のことばっかり出てくるからもう調べない)ウィキペディア春木教授のページルールを厳しくしておいて、違反者を甘やかして許すのは、日本独特なやり方である(64頁)日本政府がとっているポルノ政策の最も危険な点は、首尾一貫していない、ということだ(195頁)ここなど、放課後活動で子供に対する時にも言えることだ。それぞれの個性もあることから全体としての基本があってそこから幅が出てそれを受け入れて行くところに色んな問題解決と似た側面があるということを実際に時間かかってやって子供がかみくだいていく、というのが子供のためにもなる活動だと思うんだけどうちの基本が場所提供だから、この場合自分に割り切りが必要なのだろう。他にはここが印象に残った。日本でも西山事件というのがあった。西山記者が外務省づとめの人妻と情を通じ機密文書を手に入れていた事件だ。西山記者は、この機密文書から、佐藤内閣がアメリカ政府と極秘の交渉を行なっていたことを知り、野党の代議士にこれを提供して、野党の代議士は嘘をついて逃がれようとする政府に、証拠として、この機密文書の写しをつきつけて前言を訂正させた。ところで、この事件で、西山記者は機密文書を「情を通じて」入手したことを問題にされ、世間の非難をあび、遂には新聞社を追われてしまった。私は西山記者が実に可哀そうだと思う。これが外国ならば、西山記者が情を通じたか通じなかったかは二次的なこととして、まず問題にされない。むしろ、問題にされるのは、国会で嘘をついていた当時の福田赳夫外相で、外相は嘘の責任をとって更迭されたに違いないからだ。ところが、日本では不思議なことに、国会で大臣が嘘をついたという事実よりも、西山記者が情を通じて機密書類を入手したことのほうを重視し、西山記者のほうを悪人にしたのだから目茶苦茶だ。もちろん、外務大臣に対しては非難の声も起こらず、外務大臣も辞表を提出しなかった。私はスクープをした西山記者は英雄だ、と思っていたが、日本人は英雄どころか悪人扱いしてしまったのだ(42頁~)あとがき(231頁~)に、ささやかなタネ明しをしなければならない。タネ明しをしないと気がトガメてしかたがないのだ。実を言うと、この本は英語からとか、ハンガリー語からの翻訳ではない。しかし、友人の豊田さんの苦労は普通の翻訳者の経験よりも何倍も辛い、ひどい仕事だったと思う。かれは私の下手な日本語を、きれいな、読みやすい日本語に訳して(「訳して」に傍点)くれた。まるで私が英語で話すように。だから「豊田行二訳」とあるのはシャレである。このシャレを読者諸賢にご理解をいただきたい。豊田さんとは、彼が文化放送で「男のワイド」という朝の一時間半の番組のパーソナリティをしていたときに、私がそのひとつのコーナーの「お早うマイジャパン」のゲストで毎週コンビを組んだことがあり、それ以来、おつきあいを願っている。地獄のような作業を何か月もの間、多忙な合間に文句を言わずにただひたすらに耐えて、私の考えていることを素直に展開してくれた彼の友情に感謝の礼を述べたい。もしこの本で事実に関しての間違いがあるとすれば、それはすべて私の責任であり、豊田さんの責任ではないことを申し添えておく。なお、最後に、英文毎日の徳岡孝夫氏の強い励ましに“どうもありがとうございました”と述べたい。とある。