赤松光夫『エンゲージリング・わが愛』
「タイトル + 赤松光夫」のYahoo!検索「赤松光夫」のGoogle検索***著者:赤松光夫出版社:集英社文庫コバルトシリーズ 10-L昭和53年9月20日 初版発行定価:(本体 220円)カット 峯村良子目次エンゲージリング・わが愛 第一章~第七章花びらの散る下にあらすじ***ネタバレです******ご注意ください***エンゲージリング・わが愛笛子が小学六年生のとき、母は病死し、その後父は笛子を連れ四国を離れた。東京の大学を出たが、結婚を機に故郷で農業を強いられた父は、農地家屋を処分し東京で予備校の職を得た。地元には、婚約者の吉田健二がいる。しかし、母の七回忌、法事からの帰りに、父は笛子に、婚約の話は白紙に戻したし、先方からもその話が出ていたと知らされる。その船上で父は倒れ、畑中三郎の世話になる。船乗りの父の話や浪人の話を聞き、万年筆を記念にと贈られ、笛子はお返しに、海に捨てようとしていたダイヤのエンゲージリングを贈る。父が病に倒れ、おばが世話にきてくれたり、健二がやってきてやっぱり結婚したいだのと襲ってきたり断ると、返さなくていいと言ったはずの指輪を返せと言ってくる。三郎が大事にとっていた指輪を、同居人が借金の担保にしていて三郎は返してもらうために暴行を受け、死んでしまう。数日後父も病死し、笛子は父の遺骨を抱いて、おばと故郷へ向かう花びらの散る下に三和子と明彦はみなしご。両親の残してくれたアパートのおかげで生計をたてている。明彦が犬をかってくれというが三和子はかえない、という。明彦は遅くなるまで帰ってこない。そこで三和子は、ある一人暮らしの老婦人が世話をみられなくなった犬をてばなし、明彦が飼いたいと言っている犬がその犬だと知り、保健所へ行くと、案の定明彦は犬が連れて行かれた保健所にいた。クロをひきとることにする。以下は雑談です・お目汚しご注意・太字は引用漠然とした結婚への期待を象徴していたダイヤ。金銭的な価値もあるエンゲージリングを捨てきれず固執したがために起こる悲劇。指輪を勝手に持ち出す同居人だが、好意的な表現が印象にのこる。憎くて仕方ない登場人物だが、人は間違う、そしてよくなる可能性をひめているということがとても大事にされている感じがする。腹が立つよりも、書いて待ってくれているような気がして私は赤松光夫がやめられないのかなあ。赤松光夫富島健夫豊田行二正本ノン漫画感想