『ハネスうさぎのクリスマスゆうびん』
ハネスうさぎのクリスマスバーナデット・ワッツ さく森山京 やく 講談社 発行年月: 2000年09月 ISBN:4062621541 本体価格 1,500円 (税込 1,575 円) 送料込 小さい頃、母とよく駅2つ向こうの図書館まで歩いていきました。色んな絵本を読んでもらいました。残念ながらはっきり覚えているのはせなけいこさんの本くらいです。でもきっと、私の生き方などに、絵本を読んだ事は影響を与えていると思います。それがいいことなのか、遠回りさせることなのかはわかりませんが、辛い状況を皮肉った笑いごとにして乗り越えたり・・・でも、その後、まんがや音楽、小説、映画などがそれにとってかわり、私は絵本のことを忘れていました。そんな私を絵本の世界に引き戻したのは、ローレン・チャイルドと瀬田貞二、ホフマンと、そしてこのワッツだったと思います。とにかく、ワッツは絵がすばらしいと感じています。初めて手に取ったのは、この『赤ずきん』でした。(安くて小さいのはこちら→赤ずきん)背景を描きこむときは、丁寧に、そしてかわいく!描きこみ、ハイライトにくると、単体の絵。どきどきする演出なのです。この、ハネスうさぎも、とにかくはしからはしまでかわいく描かれていて、ちびこと、はりねずみさんはここだね、ハネスとこのウサギは耳がちがうね、など、お話以外のことも話しながら楽しく読み進めることができるのです。もーハネスがひろげる傘のかわいさ。クリスマスゆうびん一つ一つのかわいさ。5歳のちびこに、お話の長さもちょうどいいようです。この時期にぴったりだと思います。クリスマス、というと、教徒でもあるまいし・・・と意見が出ることもあると思いますが、そして私は仏教徒なのですが、みなを、幸せに、という観点が仏教のおしえとは異なるもので、それはそれで、そういう人間がいる、ということはとてもすばらしいことだとおもいます。(実際、いろんな宗派があってこういう言葉は適当ではないのかも知れないですが、私の基本的知識は、ブルーナの『クリスマスってなあに』なので・・・)全ての人がみな幸せに、そういう気持ちをのせて、誰かにカードを送りたくなります。そういう、幸せな気持ち。誰かの幸せを祈れる気持ち。その気持ちが、ワッツのつかう美しく優しい色合いとぴったりマッチするのです。子どもがちょっと成長したら、こういう色合いも味わって欲しいな、と思えてきます。大好きです。ちびこもこちらは(というのも、つぐみひげのときは全然はまらなかったのです・・・)気に入っているようです。☆