2006/11/15(水)22:27
お茶事 その2 炭点前編
昨日のコメントに会席で使われた器の説明をということなので少しここで説明します。
生憎、ほとんどの器は先生のものをお借りしています。中でもとても気に入ったのが志野の四角い器です。先生のお宅のヤツデの葉を敷き、さわらの幽庵焼を並べました。白い志野の生地にヤツデの鮮やかなグリーンが映え、お料理がとても美味しそうに見えたと思います。また、幽庵焼がとても上手く味付けでき器とともに大成功。
私の器はコメントでもお褒めいただきました、カズ君の字が生きた向付け。これがその写真です。
右側の青い器は足つきで、瑠璃鉢。これには強肴を盛りました。白和えでしたからこれも色が綺麗に映えたことと思います。
それと湯桶を最後にお持ちしますが、うちの流派では湯加減をご自由にということで、お湯以外にお水もお持ちします。そのとき使った器です。本当は木地の蓋があるといいのですが。(ちなみに木地蓋を作ってもらおうと思ったところ、数万円かかるとのこと。そんなに価値のある器でないし、少し迷っています。)
いずれも四日市と瀬戸の現代陶芸家さんたちの作品です。
先生の器は志野以外に織部もありましたから、自然、地元のものばかりとなりました。
さて、では順に。
お客様は社中の兄、姉弟子3名のつもりでした。兄弟子、宗久さんが一月にお茶事をされたのをきっかけに姉弟子たちもされる予定でしたが、お忙しいお二人は春、夏とも機会を逃されました。私は秋、と公言していましたが、お二人がされていないのに末っ子の私が先んじるのはいかがなものか、と思いながら、私にはどうしても今年のこの秋にお茶事をしたい譲れない理由がありました。その理由はまたお道具のご披露の時に。
そこに私をお茶好きというところでサポートしてくださっている和子先生が、お客様としての名乗りを上げられました。このブログの最初のころの日記に一客一亭というものがあります。(2005年9月15日)そこで書いているのですが、和子先生をお客様としてお茶事をしたい、それを目標にお稽古に、稽古茶事に励もうと思っていたので、一旦はお断りをしました。もう一つに、皆さんとの調和を心配もしました。茶事をすること事態、はばかり、まして、和子先生をお呼びするとは身の程知らず。しかし、和子先生は社中だけではなあなあになってしまう、ひとり違う人間がいたら気が引き締まるっていうもの、といわれ、それ以上私にはどうしようもないのでした。さて、うちの先生にも相談しながら困った困ったとしばらく思い悩んだものですが、こうなったら、しっかりお稽古、皆さんに良かったと言われるお茶事を精一杯することしか他に道はないと心に決めたのでした。
そして迎えた当日。
11:00より開始。時間は守りたい、間延びするのも極力避けたいの一心です。私は少しあせりながら、炊き立てのご飯を膳に盛りたくて着火の依頼をしました。
寄付きではなんだか大盛り上がりです。笑い声が絶えません。水屋にいる私たちは何が起こっているのか興味津々。
席入りのご案内に向かいました。前回宗久さんのお茶事では貴人口から入りましたが、私はにじり口からの入室にこだわりました。あの入り方が厄介で、でもそれがやはり、お茶らしい気がして。そして、真っ先に床の間が目に飛び込んできます。
初入り
床:花/ 西王母(好きな椿ですが、本当は白い椿が欲しかった。
それでもちょうどいい感じに膨らみかけてくれました。)
百日紅の照葉(花盗人しました。お散歩ついでに街路樹からひと枝。
身もついていて色もちょうど良く、最初の写真ではあまり上手く
生けられてませんが、実際はもう少し風情がありました。
花盗人してごめんなさい。)
花入れ/ 鳴海織部(ずっと以前、なんでも鑑定団に鳴海織部の香炉が
素晴らしい評価額で出ていました。それがちょうど四角いもので
向付けを香炉につくりなおしたもの。今回の花入れはその後
みつけました。新しいものなので価値云々ではなく、四角い鳴海織部に
心惹かれました。正面は本来、扇に花ですが、裏がちょうど七宝紋。
うちの流派の紋様ですからそちらを使いました。)
本当はお軸が順番でしょうが、お食事が先なので緊張して空間よりお花を飾って
気分良くお食事をしていただきたくて、先にお花にしました。
風炉、釜:先生の鉄風炉に雲竜釜
香合:黒柿香合/ ススキに赤蜻蛉 北浜風月作 輪島塗(先生のをお借りして。)
炭斗:先生の風炉用のものをお借りして
羽箒:白閑(なんて読むのでしょう?どなたかお教えください。)
灰器:緑楽(本当は志戸呂焼のものがあったのですが、行方不明中。先生のもの。)
香:沈香 鳩居堂
*実際は炭の爆発により拝見に出せないままでした。
お会席は一番最初に失敗。挨拶なくお膳を持ち出してしまいました。ああ・・・・。
仕切り直して、おひとりづつご挨拶。しかし、あがっている私は早口に一方的に挨拶をします。三客の和子先生が私の“来年作陶歴45年おめでとうございます”の言葉に返礼をしっかりされ、前のお二人に返礼の間を取らなかったと気づかせてくださいました。反省。
順々にお料理をお出ししていきますが、ご飯は早く炊きすぎました。開始時間と段取りは大きくずれ、タイミングがなかなか難しいです。ちょうど11時に炊けたのでしたが。
それにしても、寄付きから爆笑の渦のお客様たち。どうやら和子先生がとても盛り上げてくださったようです。女性3名はお酒大好き。ちなみに私も大好き。とうとうお茶はいいから宴会宴会、なんて言って上機嫌な調子。爆笑していた一つは寄付きで和子先生がタバコを吸われ、その煙がちょうど輪を作ったらしく、その下に頭を入れた和子先生が“天使の輪”とおっしゃったものだから爆笑になったのだとか。先生のイメージは怖い、と皆さんが思っていたので、あまりの可愛らしさにギャップを感じ、この天使の輪依頼すっかり打ち解けたのだそうです。
大宴会のようになった会席のお席でしたが、この後続いて炭点前になります。そして、その後起こった例の炭大爆発事件です。