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2020.08.14
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カテゴリ:本好きのつぶやき
高いところが苦手だ。
というとワタシモワタシモという人がたくさん出てくるのだが、甘い。
そういう人たちは大抵橋も歩道橋も渡れるし、観覧車だってこわあいとかかわいく言いながら乗れてしまうのだ。
自分の“苦手”はそうしたレベルではない。
歩道橋は絶対に渡らない。どんなに遠回りになっても横断歩道を使う。橋は極力渡らない。どうしても渡らなければならないときは半泣きで走って渡る。観覧車に乗る、という選択肢はわたしの人生にはない。もし一千万もらえるなら考えるかもしれない。それ以下はだめだ。もちろん“見晴らしのよい観光スポット”は全部苦手である。飛行機に乗る予定は当面ないが、どうしても乗らなければならなくなったら安定剤でも出してもらおうと思っている。
とにかく苦手なのだ。高いところが。
いつからこんなに高いところが駄目になったのだろう。高校のころもまあ苦手だったが、橋はどうにか普通に渡っていた。でも歩道橋は苦手だった。真下をトラックが通ると揺れるからだ。
小学生のころはよくスキーに行っていて、あのリフトという恐ろしい移動手段を平気で使っていた。保育園のころは遊園地で、父と観覧車に乗った。わたしは観覧車の窓に張り付いて(今はそんな恐ろしいことは絶対にできない)「うちの屋根が見える!」と言った。「うそつけ」と父は笑っていた。そういう人だったのだ。

その、保育園のときに好きだった絵本が『おおきなきがほしい』だ。
これはもう日本一有名なんじゃないか、というくらいの名作絵本で、誰でも一度くらいは読んだことがあるんじゃないかと思う。ストーリーというものは特になくて、おおきなきな木があるといいなあ、というかおるくんの空想が描かれた作品である。


この木の大きさがすごい。はしごをずっと上ってゆくと、上に小さな小屋があって、そこでホットケーキを焼いたり本を読んだりできるのだ(大人になって読み返すと、ちゃんとプロパンガスのボンベがある)。奥の部屋にはベッドもあるし、はしごを使えない妹のためにかごを使ったエレベーターまである。この小屋での春夏秋冬を描いたページは、それぞれ引き延ばして壁に飾って眺めておきたいくらい素敵だ。
憧れましたねえ、わたしも、この大きな木と、木の上の小さな家に。
でも今はだめだ。この絵本を読むだけで足が震えてくるのである。一番上の展望台のシーンで
“もちろん こんなに たかいところですから、すこしは ゆれるかも しれません”
なんて書いてあるとそれだけで頭がぐらぐらしてきてしまう。


怖いもの知らずだった子供のころに比べて、食べ物の好き嫌いは減ったけれど、苦手なことや怖いことは増えた。
でも、この絵本はこれからも何度も読み返すと思う。



おおきなきがほしい
ぶん・さとうさとる/え・むらかみつとむ
偕成社
(創作えほん4)


おおきなきがほしい [ 佐藤暁 ]






最終更新日  2020.08.14 20:00:07
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