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2020.09.24
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カテゴリ:本好きのつぶやき
本は紙だ、とずっと思っていた。
デンシショセキというものが出始めて、有名ブロガーさんたちがこれはいい、と勧めていた時も、「データで読むなんて‥‥」と無視していた。本は装丁だとか紙質だとかレイアウトも含めて楽しむものなのだ。これって外食好きの人が、ご飯はただカロリーを取るものではなく、盛り付けや雰囲気、会話も込みで楽しむものなのです、というのと結構似ている。
しかし自分はAmazonのkindle端末を持っている。フランス語読解のためのテキストが欲しくてあれこれ調べ、“kindleの読み放題サービスに入ればフランス語の小説も読み放題だ”と知ったせいだ。早速申し込み、1か月のお試し期間を経て正式に入会した。アプリだと読みにくいし、眼も疲れるので端末を買った。広告はないけど一番安いやつだ。
その後、子供向けの絵本から童話を経て、今はどうにか一般小説も読めるようになった。
ちなみにフランス人も人の子なので、検索するとへんな本もいっぱい出てくる。たとえば猫の本が読みたくて検索すると、猫に関係する言葉はエロティックな意味で使われることが多いため、その手の小説がヒットしてびっくりする。
そしてこのサービス、乱歩の全集とか横溝正史とか、海外の古典とか、わたし好みのコンテンツを勧めてくる。全部読み放題対象だ。誘われるまま読んでいるうちに、どんどんkindleに対する心のハードルが下がっていった。Amazonの思うつぼである。
更に本が増えすぎたこともあり(といいながら古書店で10冊ほど買ったばかりなのだが)、これからは新刊はkindleで買おうかなあ、と考えるようになった。
しかし、もし電子書籍が普及すると古本というものはなくなるのだろうか。いや、図書館用に紙の本は発行され続けて、その廃棄ぶんが古書に回るのだろうか。
個人的に古書店がなくなるのはちょっと寂しい。特に昔ながらの、頑固なおじいさんとかおばあさんがいるような、小さな、こだわりのある古書店はずっと残ってほしいと思う。古書店でなくてもいい。ここはSFだけですとか、推理小説メインですとか、得意なジャンルがあって、ご主人に訊けばなんでも教えてもらえる、そんな形で書店と紙の本が残ってくれればなあと思うのです。

実は以前、そうした古書店に行ったことがある。
子どもの頃、あらすじだけ読んでどうしても欲しいSFがあった。サンリオから出ていた、『大予言者カルキ』という滅亡もののSFである。そんなものを読みたがる子どもというのも恐ろしいが、とにかく長年の憧れの本だったのだ。
そこで所用で上京した時、友人から「SFならこのお店がいい」と勧められた古書店に行ってみることにした。
その店はまさに自分好みのお店だった。大学生とか高校生っぽいお客さんが、狭い店内に数人いた。この人たちはこれが生活圏にあるのか。羨ましい‥‥と思いながらサンリオSF文庫の棚を探した。
ない。
やっぱりないのか。しかしどうしても諦めきれず、店主らしい男性に思い切って訊ねてみた。
「あのう、サンリオから出ていた大予言者カルキという本を探しているのですが」
店主はこちらをちらりと見て言った。​
「その本は‥‥文庫では出てないよ」
素晴らしい! と思った。この方はその本のタイトルはもちろん、文庫化されているかどうかまで把握しているのだ。 思わず弟子入りさせてください、と土下座しそうになったが、どうにか持ちこたえた。
ハードカバー版は、自分が探していたあたりの反対側の奥にあった。あああ本物だ。長年夢見ていたカルキの本物だ。こんなすごいものをたったこれだけの値段で(といっても定価より高かった)自分ものにしてしまっていいのだろうか。
大切に家に持ち帰り(帰りの電車では気が気ではなかった)、しばらく棚に飾ってから読みました。面白かったです。3回読み返しました。







最終更新日  2020.09.24 20:00:08
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