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本のある森

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映像作品

2020.11.17
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カテゴリ:映像作品
映画『震える舌』を見た。

ずっと見たくて暇があると予告編を再生していたのだが、その成果が実ったのだろうか。某動画サイトの定額見放題サービズに追加されたのだ。先日原作を読んでここに記事を書いたばかりである。密林の神様ありがとう。
ストーリーは原作通りシンプルである。主人公のひとり人娘、まあちゃんが破傷風に感染する。珍しい病気のため、最初は診断がつかない。「精神的なストレスによるものでしょう」「あなたが厳しすぎるのよ」などと言われてしまう。落ち込む父(主人公)。
しかしこの症状(痙攣や脱力感、音や光に対する過敏症)は精神的なものではなかった。ベテランの先生の診察で破傷風との診断が下りる。
早速入院、治療が始まる。破傷風の致死率は高い。更に主人公にも感染の可能性がある(と本人は思っている)。まあちゃんがけいれん発作を起こしたとき、舌を噛まないように口に指を入れて怪我しているからだ。先生は唾液による感染はないというが、万が一の可能性は捨てきれない。奥さまは看病疲れで病んでゆく。当たり前の日常が、眼に見えない細菌に寄ってあっけなく崩れてしまう。破傷風菌じたいは決して珍しいものではないらしいから、これはかなり怖い。

原作も充分に怖かったのだが、詩情の方が優っていて、自分はそれが特に好きだった。この部分を映画に生かすのは難しいけれど、「これは寧ろホラーだ」と言われる演出で、ただの闘病ものとは一線を画している。
また、原作の破傷風菌への問いかけやつぶやきがコズミックホラーっぽさがあって面白かったのだけれど、そのシーンもちゃんと映像化されている。嬉しかった。
見るのがきつい、怖い作品だけれど、これほどラストにほっとさせられる映画も珍しいと思う。
チョコパンとリンゴジュースとポテトチップスとうな重の特上。






最終更新日  2020.11.17 20:00:08


2020.10.25
カテゴリ:映像作品
最近邦画や国内のドラマを見ることが多い。以前はアニメのほうが多かった。たまに洋画は見ることがあったが、なんとなく邦画とか国内のドラマはつまらないんじゃないかと思っていた。なんだかやたらと男女のことばかり書いていて、無駄においろけなシーンがあって、どろどろぬめぬめしている。
もちろんそうしたドラマはある。恋愛ものはドラマの王道だし、なんとなく眼にするドラマの予告では、よく禁断の恋が描かれている。不倫だとか浮気だとか教師と生徒の恋だとかだ。そしてやっぱりどろどろぬめぬめしている。
(おっさんずラブのあの爽やかさはいい意味で変だ)
でも、実はそうしたものばかりではないのだ。某定額動画サービスに入会して、なんとなく見たいものリストに作品を追加し、おすすめされるままに映画やドラマやドキュメンタリーを見ていて、そう気づいた。それどころか、けっこう面白いものが多い。今回のものもそうして観たもののひとつである。

この作品は政治を扱ったコメディである。主人公は性格が悪くて史上最低の支持率を記録した黒田総理。あるとき彼は額に投石を受け、記憶を失ってしまう。子供の頃のことは覚えているのだが、総理としての記憶全くはない。もちろん政策だとか、あれをこれしてよろしく、みたいな裏取引も覚えていない。ゴルフのルールも分からないし、以前はペラペラだった外国語も忘れている。
三人の秘書たちは必死に総理の記憶喪失を隠し、サポートしようとする。しかし、総理自身を心配しているわけではない。奥さまとの関係も破綻している。息子も父を軽蔑している。記憶を失うなんてさぞ心細いだろうに、本気で心配してくれる人はひとりもいないのだ。孤独である。
この黒田総理、記憶を失ったせいか性格もすっかり変わり、まじめなおじさんになっている。口調は穏やか、時折見せる行動も紳士的。でもマスコミは信用しない。「どうせ売名でしょう」と鼻であしらわれる。辛い。
最初は自分の置かれた状況に混乱するばかりだった黒田総理だが、小学校のときの恩師の先生を呼び寄せ、政治の仕組みをいちから勉強しなおし、ほんとうに国民のためになる政治をしよう、と決心する。そんな総理に周りの人々も少しずつ惹かれてゆく。

上手くいきすぎの話だ。自分は「どうせなにかのはずみで記憶が戻って、あの内閣はつかの間の夢でしたというオチになるのだろう」と考えていた。お手伝いさんに頭を殴られて、昔のことを少しずつ思い出し始めた時には、「そろそろだな‥‥」と思ったくらいである。だからラストにはいい意味で裏切られた。
しかし、世の中はそれほど甘くない。支持率は最低のままだし、ニュースキャスターのコメントも相変わらず厳しい。人が変わるのは難しい。変わった自分が周囲に受け入れられるのも難しい。そして相手の、特に憎い相手、悪者と決めつけた相手の変化を受け入れるのは、それ以上に難しい。






最終更新日  2020.10.25 20:00:08
2020.10.22
カテゴリ:映像作品
何度か書いているが、自分は流行に疎い人間である。別の世界のことのような気がするのだ。この傾向は子供のころからあり、図書室にこもって誰も借りない文学全集なんぞを読んでいた。今思えば厭なガキである。
といっても流行を嫌っているわけではない。なので勧められるままに話題のドラマを観ることがある。そんな流れで【おっさんずラブ】も観た。自分は普段恋愛ものにも、同性愛を扱った作品にも興味がない。でも、あまりにも絶賛されていたので気になったのだ。
それで、自分が今更言うのもなんだが、ものすごく面白かった。これも自分が今更書くことではないし、映画【しゃぼん玉】を観た時も思ったのだが、林遣都の演技が光っていた。演技のうまさというものを語れるほど詳しくはない。しかし、この人はただそこにいるだけで、そのキャラクターの語られていない部分まで表現しているような気がする。
この作品が支持されたのは当然だと思った。しかし、その一方で続編【in the sky】のほうは評判が悪い。好評価も多いのだが、許せない人は徹底的に駄目らしい。設定を一新したのがまずかったのだろう。気持ちはわかる。だが、自分はそれほど思い入れがなかったし、田中圭の顔芸が好きだったので新作も見てみることにした。

それでまあやはり今更だが、こちらも負けないくらい面白かったので、抵抗のない人は見たほうがいいです。

以下多少のネタバレになってしまうのだが、このシーズンの本質的な主役は成瀬竜なんじゃないかと思う。この男性は30歳で、航空機のパイロットである。仕事については熱心で、その分他人にも厳しい。しかし性格は子供っぽい。おまけに童顔である。口は悪いが万年幼稚園児みたいな奴なのだ。現実では関わりたくないタイプだ。
この成瀬は同性愛者で、それ自体はこの作品世界では比較的自然に受け入れらている。問題は彼が「誰とでもキスできる」などと公言しているあたりである。恋愛経験、というか性経験は多いのだが、他人とのコミュニケーションが苦手なのだ。そんな彼が春田を通じて、周囲の人を大切にする心に目覚めてゆく。
この辺りから、成瀬を応援している自分に気づく。最初は「ムカつく」と思っていた部分さえかわいらしく感じるのが不思議である
物語やドラマは、人間の成長や変化を描くものだと思う(もちろんそれだけではないが)。現実ではムカつく奴に対して“成長を見守りましょう”などとのんきなことを言っているとストレスになりかねない。しかし、フィクションのキャラクターはどんなにムカついても実害はない。だから成長を最後まで見届けることができるし、それによって、今は受け入れられない誰かを受け入れる下地を作れるかもしれない。さらに、自分も変われるのだと希望を持つことができる。

春田のラストは意外だが(前作もいきなりだったが)、春田自身も最初は恋愛について、あまりよく考えていなかったんじゃないかと思う。仲間は大切にするが、特定の人に対して責任を持って好きになる、という感覚は分かっていなかったのではないか。なんとなく彼女が欲しいしとか、仲のいい人とは一緒にいたいなあ、という程度だ。そんな春田も成瀬を通じて、特定の誰かと向き合うことについて考え始める。これは実は、自分自身と向き合うということでもある。
この作品は恋愛そのものというよりは、人や自分と真剣に向き合おうとする姿を描くドラマだったのではないかと思う。
しかし獅子丸についてはもう少し絡みが欲しかった。



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最終更新日  2020.10.22 20:00:08
2020.10.14
カテゴリ:映像作品
気になっていた映画をやっと見た。
【くちづけ】


くちづけ [ 貫地谷しほり ]

知的障碍者のグループホームを舞台にした作品だ。
知的障碍を持つ女性、マコの遺体が発見されるニュースから物語は始まる。
彼女は父親に溺愛され、同じ障碍をもつ男性と知り合い、クリスマスには結婚する約束していた。クリスマスはマコの誕生日でもあった。幸せいっぱいだったはずの彼女が、なぜ死ななければならなかったのか。

見終わった後、しばらく予告編を見返したり、俳優さんのインタビューを読んだり、レビューサイトを眺めたりしていた。ショックで頭の整理がなかなかつかなかったのだ。
レビューは賛否両論である。あまり詳しく書くとネタバレになってしまうのだが、肯定的なものでは、泣けた、感動した、こうした悲劇を繰り返してはいけないと思った、マコの父親の気持ちが理解できる、といったもの。批判的なものは、こんなラストは許せない、残酷な“事件”を泣ける話にするとはなにごとか、感動でも何でもない、とういものだ。
そうなるよなあ、と思う。社会的な問題をテーマにした作品は、どうしても感想に書き手の私情が入りやすい。当事者であればなおさらだ。感想のはずが自分のことを語りだしてしまうのだ。それ自体は構わないのだが、自分のことを語っているうちに作品のテーマや筋とどんどんずれてしまい、ずれたまま、こんなものはけしからん、となるのはどうか。批判的なレビューはそうしたものが多いように感じた。それだけ追い詰められている人が多いということでもあるのだが。
じゃあお前の感想はどうなのだ、と言われそうだが、それがなかなか出てこない。
「考えさせられました」という、社会派の作品を見た後に行っておくと格好がつく言葉がある。今の自分はまさにその、「考えさせられている」状態だ。でも、その「考え」は心のずっと底にあって、言葉として表に上ってこない。ただぼんやり映画のシーンを思い返しながらネットを眺めて、気が付いたら1時間半経っている。
だからこの文章は、感想としては駄文である。でも、言い訳めいたことを書いてしまうと、「今の世の中、これが間違っています」とか「こうした問題を放置してはいけない」「こんな困っている人がいるのだ、みんなで助けなければ」といった言葉で済むなら、わざわざ物語にはしないと思う。もっと別のなにかがあるから物語という形にするのだし、物語が生み出されるうちに、作り手も気づかなかったより深いテーマが作品に内包されるはずなのだ。自分が興味があるのはいつも、その、もっと深いテーマのほうなのだ。

この物語は悲劇である。こうしたことが現実に起きなければいいと思う。弱い人をきちんと守れるかどうかが、その世の中が充分に成熟しているかどうかの物差しになる。経済的にも精神的にも豊かな国ならば、なにかを犠牲にしたりせずに弱い人を守れるはずだ。どんなに豊かさや幸せを装っても、弱い人を切り捨てる世の中は豊かではない。
更に書くと、この物語をただ悲劇という言葉で語りたくない気持ちもある。悲劇で終わったとしても、あの幸せは確かにあったものだ。いっぽんの最後の行動は過ちであったかもしれないが、過ちで終わった愛に一切の価値はないとはいえない。
一応言葉にはしてみたが、こんな感想ではまだまだ足りない。この作品についてはずっと考えてゆくと思う。






最終更新日  2020.10.14 20:00:07
2020.09.25
カテゴリ:映像作品
ドラマ版【永遠の0】をたった今見終わった。
(2020/09/21 18時40分)
Amazonプライムビデオのウォッチリストに入れていて、もうすぐ配信終了だというので慌てて観たのだった。
ひと言で書いてしまうと素晴らしかった。あんまり素晴らしかったのでアプリからこれを書いている。下書きに保存して明日手直しして予約に入れようと思う。なのでこの記事がアップされた時には配信終了になってる筈です。ごめんなさい。

正直に書いてしまうと、見始めてすぐ
「しまった…」
と思った。原作者の百田尚樹さんが苦手だったからです。
実は以前【カエルの楽園】を読んでいて、それが個人的にあまり好きになれなかったのです。
それは、平和憲法を悪く言ってけしからん!という理由ではなくて、
(平和憲法の思想は個人で貫くには結構だけれど、他人に強いるもんじゃないし、それで自分や仲間の安全が守れるとは思いません)
あまりにもメッセージが直接的すぎて、それが合わなかったのでした。ちなみに自分はとにかくそういうタイプのお話は全部苦手なのです。「平和憲法は素晴らしい」でも「差別反対」でも「女性の自立は素晴らしい」でもダメです。読む気をなくしてしまう。
だから「この作品もそういうタイプのものなんだろうか…」と思ってしまったのです。でも、見始めるてしばらくするとどんどん引き込まれてしまい(おまんじゅうのあたりからだ)、気がつくと夢中になっていました。そして見終わって呆然として、この感動を残さねば、とアプリを立ち上げたのです。

しかし何を書けばいいのだろう。何を書いても全部ネタバレになってしまう。
少なくともこれは「戦争を美化してとんでもない」という話では絶対にない。
特攻隊については自分も過去色々読んでいて、洗脳されていたとか、テロと同じだといった論には疑問や怒りを感じていました。だからこの作品に登場する特攻隊員の悩みや苦しみ、自分の死に少しでも意味を与えようとする姿勢には心から感動しました。
この作品のすごさは、それにとどまらず、もっと普遍的なテーマを抱えているところです。
自己犠牲、自分の弱さに向き合い、超えてゆくこと。残された人々に託すもの。更に、託されてしまった側の戸惑いや悩み。これは世界に共通するものだと思います。
近い歴史を扱った作品はどうしても“その事件”に強く重ねて受け取られてしまいがちです。だから、この作品が普遍性をもつには今から更に何十年もかかるかもしれません。その時代まで残ってほしい作品です。
他の方の感想を読むと「泣けた」というものが多かったのですが、わたしはむしろ幸せな気持ちになりました。宮部久蔵、松乃さん、大石の関係、そしてそれぞれの生き方が素晴らしかったからです。
更に書いてしまうと、自分は今人生の転機にきていまして、ラストを見ながら「自分も本気出さにゃ…」という気持ちになったのでした。

感動しすぎて文体まで変わってしまった。すみません。
あと百田さんの他の作品を読みたくなってしまいました。こうしてまた読みたい本が増えてゆくのだ。



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最終更新日  2020.09.25 20:00:08
2020.08.24
カテゴリ:映像作品
少し前にドラマ『沈まぬ太陽』を見終わった。
‘少し前’なんて曖昧な言葉を使ったが、実は全20話を3~4日で見てしまった。最終話を見終えたのは深夜だった。しばらく眠る気になれず、作品のモデルになった123便の事故をぼんやりと調べていた。結局寝たのは午前3時過ぎだった。ほぼ朝である。

ここまで夢中になると、主演俳優さんのほかの作品も気になってくる。今は名前さえわかればスマホで検索できるから便利だ。更に動画サイトでは‘あなたへのおすすめ’として表示されることもある。
そうして見始めたのが、『執事 西園寺の名推理』だった。そういえばこの作品、母のお気に入りである。ちなみに母はドクターXも好きで、新シリーズが始まるたびに大騒ぎしている。

念のために説明しておくと、この作品はかなりカジュアルな推理ドラマである。夫に先立たれた奥様に仕える執事、西園寺が主人公だ。この人は謎が多く、博学で格闘技もこなし、更に殺人事件の解決にも手を貸してしまう。彼自身は物騒なことに関わりたくないのだが、奥様に頼まれると断れない。彼にとって奥様のお願いは絶対なのだ。
これで‘奥様’が若く美しい女性で、ふたりが恋に落ちる、となればありがちなものになってしまうのだが、この奥様、箱入りのお嬢さんがそのまま歳を重ねたようなかわいらしい老婦人で、亡くなったご主人の思い出を今も大切にしている。奥様と執事は絶対的な信頼関係で結ばれているけれど、それ以上にはなりようがない。そこがうまいなあと思う。
どうもこの作品、ターゲットは年配の女性らしい。シーズン2まで作られているから、‘素敵なご主人に先立たれ、その思い出を大切にしながら執事にかしずかれる’というのはけっこうな数の人たちに支持される幻想なのだ。多分。

それで思い出したことがあった。
以前、ひどい骨折をして、入院していた頃の話だ。その病院にちょっと変わった医師がいた(その医師はわたしの主治医でもあった)。
整形外科の入院患者さんはお年寄りが多い。ほとんどの医師は患者さんと話すとき、ベッドの足元に立って、大きな、ゆっくりとした口調で、「おばあちゃーん、今日の調子はどうですか」と話しかける。ちょうど西園寺のドラマの中で、刑事さんがはじめて奥様に会ったときの、あの口調だ。
これが悪いとは思わない。急性期の病棟のベッドの脇は荷物だらけで、場合によってはカテーテルの袋なんかも下がっていて、車椅子も置いてあって、通るのは大変なのだ。それに、お年寄りは大抵耳が遠いから、大きな声でゆっくりと話さなければよく聞こえない。だから、ベッドの足元から大声で話しかける、というのは理にかなている。
でも、その先生は違っていた。わざわざおばあちゃんたちの枕元に行って屈みこみ、優しい声で、そっと話しかけていた。たしかおばあちゃんではなくて、患者さんをひとりひとり、ちゃんと名前で呼んでいた。その先生は、年配の女性の間でとんでもなく人気があり、ほとんどアイドルのような扱いだった。それは、若くて顔が良かった(華奢で女の子のような顔をしていた)のもあるけれど、それ以上に、まるでお姫様にするみたいに話しかけてくれるのが、みんな嬉しかったのだと思う。何十年も生きてきて、結婚して子供を産んで、孫までできても、おばあちゃんではなくて名前で呼ばれて、大切にされたいのだ。

もしも“執事風の介護士がいる女性向け老人ホーム”などというものがあればけっこう流行るかもしれない、などの考えながら、今日もドラマの続きを見た。もっとも自分が歳を取った時は、kindle端末と読書用の拡大鏡があればそれで充分である。
あと、西園寺の推理はけっこう強引なところがあるので「彼はほんとうに真犯人を捕まえているのだろうか」と不安になるのだが、そのあたりは刑事さんがちゃんと裏を取ってくれているのだ。西園寺はすごいが、刑事さんもえらい。



執事 西園寺の名推理 【テレ東OD】 #1【動画配信】






最終更新日  2020.08.24 20:00:08
2020.08.16
テーマ:邦画(331)
カテゴリ:映像作品
普段あまり映画を見ない、特に国内作品は滅多に見ないのだが、勧められて珍しく邦画を見た。
ちなみにどうして国内作品を見ないのかというと、なんとなく“くらい”“こわい”というイメージがあるからだ。それについては機会があったら書こうと思う。

この作品の主人公は、ひったくりで生きているしょうもない青年である。彼はある日、抵抗されたはずみに女性を刺してしまう。逃げ回っている途中、怪我をしたおばあさんを助け、その、一人暮らしのおばあさんの家に厄介になり、少しずつ人間性を取り戻してゆく、という話である。
ならず者の青年、緑豊かな田舎、優しい人々に囲まれて快復する魂。こうかくともとすごくありがちな内容だ。田舎に暮らす素朴で優しい人々なんてものは、都会人が作り出した都合のいい幻想にすぎないという批判もある。
そうした批判を覆し、都合のいい幻想をすぐれたおとぎ話にしてしまうのが、市川房枝さんの存在だ。だって、藪の中からあの日本むかし話の声がするのである。そこから始まるのはおとぎ話に決まっている。日本むかし話のおばあさんを助けた後に連れていかれるのは、正直者が救われて悪者がこらしめられる(そして改心する)なつかしい田舎の村である。主人公は正直者に囲まれ、心身共にこらしめられ、改心して罪を償い、そして最後はその、おとぎ話の村の住人になる。

一応ヒロインっぽい女性も出てくるのだけれど、主人公が村を離れるときに見送るのはおばあちゃんであり、罪を償って戻ってゆくのもおばあちゃんの家である。この物語の真のヒロインはおばあちゃんなのだなあと思う。
あと、おばあちゃんの友達が手料理を持ち寄っておしゃべりをする所謂“女子会”の様子がとてもかわいらしかった。この人たちはきっとこの村に生まれて、またはお嫁に来て、それから何十年もの間、こんな時間を過ごしてきたのだろう。自分はそうした人付き合いが苦手なタイプだけれど、だからこそ憧れてしまう。


実はわたしには、この映画のおばあちゃんそっくりなおばあちゃんがいる。といっても血のつながっているおばあちゃんではない。骨折で入院した時に同室だったおばあちゃんだ。丸顔で、手編みの毛糸の帽子をかぶっていて、パジャマの上に綿入れのベストを着ていた(整形外科の入院患者はお年寄りが多い。そしてお年寄りは寒がりなので、エアコンの温度をどんなに高くしても足りないといってあれこれ着込んでいる)。
そのおばあちゃんは毎日わたしのベッドのそばに来て、冷たくなった手をマッサージしてくれたり、飴やえびせんをくれたりした。
先日、ニュースで、そのおばあちゃんが住んでいる村に新型コロナが出たと知った。二度と会うことはないかもしれないけれど、無事で、元気で長生きしてほしいと思う。





しゃぼん玉 [ 林遣都 ]







最終更新日  2020.08.16 20:00:08

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