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本のある森

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本の紹介・絵本

2020.08.26
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カテゴリ:本の紹介・絵本
波止場を散歩していた“わたし”はある日、年老いた水夫から奇妙なものを買い取った。それは握りこぶし大の臼歯で、表面には細かな紋様が刻まれていた。水夫によれば巨人族の歯だという。
歯の裏側に描かれた地図を頼りに、“わたし”は巨人族の国へと旅立った。長く苦しい旅の末、どうにか巨人の国にたどり着いた“わたし”は、不思議で優しい巨人たちと共に幸せな10ヶ月を過ごす。
その後、故郷のイギリスに帰った“わたし”は自分の体験を本にまとめて出版するのだが…

1992年のフランス文学者協会の児童文学大賞を受賞した作品。でも日本の感覚では子供向けの絵本というより大人向けの絵物語といった作品。ラストはかなりショッキング。

人間は知識を記録し、分類し、分析して文明を発展させてきた。この物語の主人公が大航海時代を経験した大英帝国の人間であることは象徴的だ。
けれども、言葉で説明し、分類し、分析しても、真実にたどりつくとは限らないし、そのために最も大切なものが失われてしまうこともある。人の心臓や脳を解剖してみても、そこに魂や心は見つけられず、けっきよくその人を死なせてしまうのと同じだ。

それでも人間は、探検し、知り、記し、人に伝え、物を考えるのをやめることはできない。もしやめようとするなら、彼のように全てを捨てて、古い物語の中に生きるしかないのだと思う。


『最後の巨人』
フランソワーズ・プラス作
寺岡
ブックローン出版






最終更新日  2020.08.26 20:00:08


2020.08.13
カテゴリ:本の紹介・絵本
『くまのアーネストおじさんシリーズ』で知られるガブリエル・バンサンのデッサン絵本。

大地に産みつけられた巨大なたまご。人間がたまごをみつけ、その存在がメディアによって広められ、人々がたまごに押し寄せ、その周りが“開発”されてゆく。
しかしある日、鳥がやってきて…

たまごが、巨大な鳥が、雛鳥がなにを表すのかは読み手の解釈にゆだねられる。読む人によっても違うだろうし、5年後に読んだら全く別の読み方ができるかもしれない。
大人も子供も楽しめる寓話的作品。

『たまご』
ガブリエル・バンサン作
ブックローン出版



たまご/ガブリエル・バンサン【1000円以上送料無料






最終更新日  2020.08.13 20:00:06
2020.08.03
カテゴリ:本の紹介・絵本
主人公は小鳥のネリノ。お父さんもお母さんも4人のお兄さんもきれいな色をしているのに、ネリノだけ羽が黒い。そのせいでいつもお兄さんたちから仲間外れにされている。
そんなある日、お兄さんが行方不明に。あんまりきれいな色なので捕まってしまったのだ…。

50年ほど前に描かれた名作絵本。とにかく色合が美しくおしゃれ。そして大きな目でじっとこちらを見つめるネリノが可愛い。
多分自分が最初に買ってもらった絵本の中の1冊。


まっくろネリノ [ ヘルガ・ガルラー ]

以下ちょっとネタバレを含みます。






昔は素直にラストを楽しめたのに、今読むと「ネリノ…お前ほんとうにそれでいいのか?」ってなる。
でも自分の欠点(と思い込んでいたところ)が実は最強の武器にもなりうるって知るのはすごいことだ。お兄さんたちもそれに気づいて反省してネリノを受け入れたのかも。(ただし無表情)






最終更新日  2020.08.03 20:00:08
2020.07.20
カテゴリ:本の紹介・絵本
宮沢賢治の『猫の事務所』がずっと前から気になっていた。でもなかなか読む機会に恵まれなかった。恵まれないまま探すことも忘れていて、やっと読めたのがたしか去年の夏のことだ。宮沢賢治の作品は全集や童話集、絵本からコミックまで色々な形で出ているけれど、わたしが読んだのは黒井健の絵本版である。実はこの作品を知ったのが黒井健のイラストだったから、けっこう嬉しかった。

この作品はあらすじを書くのが難しい。
舞台は猫の第六事務所。猫の歴史や地理を調べるところだ。ここの書記のの仕事は猫たちの憧れだった。“黒の詩繻子の服を着て、それに大へんみんなに尊敬”されるからである。
主人公は四番初期の竈猫。窯猫は夏生まれのせいで皮が薄く、寒がりなので夜は竈の中で眠る癖があり、いつも身体が煤で汚れていたので他の猫に嫌われていた。そして些細なことをきっかけに、事務所での彼へのいじめが激化する。

宮沢賢治はいじめ、特に言葉と態度によるいじめの描写が抜群にうまい。この物語も特に後半は、読んでいて胸が抉られるような感じがする。ラストは、正直、どう解釈していいのかよくわからない。だからこそ、ものすごく気になる話である。そして黒井健のイラストはやわらかく、あたたかく、猫たちもユーモラスで素晴らしい。



猫の事務所 ある小さな官衙に関する幻想/宮沢賢治/黒井健/子供/絵本【合計3000円以上で送料無料】






最終更新日  2020.07.20 20:00:07
2020.07.04
カテゴリ:本の紹介・絵本
エリオットの詩にエロール・ル・カインがイラストをつけた絵本。
ル・カインは子供時代をインドで過ごした(学校に行く途中に、あのタージマハルがあったらしい)。そのせいか彼の絵は装飾的で異国的な感じがする。だけどキャラクターはかわいらしく、色合いもやわらかくてとっつきにくさはない。この作品を含む一連の詩はミュージカルにもなっている。日本ではこち​らの方が有名かも。
この本にはエリオットの詩、キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法』の中から『大魔術師ミストフェリーズ』と『マンゴとランプルの悪ガキコンビ』が収録されている。


◆◆魔術師キャッツ 大魔術師ミストフェリーズ マンゴとランプルの悪ガキコンビ / T.S.エリオット/ぶん エロール・ル・カイン/え たむらりゅういち/やく / ほるぷ出版

全訳版はこちら


◆◆キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う法 / T.S.エリオット/著 池田雅之/訳 / 筑摩書房






最終更新日  2020.07.04 19:09:03

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