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本のある森

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本の紹介・神話伝承

2020.07.18
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テーマ:聖書(12)
クリスチャンではないが、聖書をけっこう読んでいる。
理由はよく分からない。子供の頃から不思議なことや神秘的なものが好きだった。子ども向けのギリシャ神話や、アフリカや東南アジア、中国やイヌイット、ロシアやネイティブアメリカンの神話や伝承もずいぶん読んだ。(子供向けの再話を収めた全集が家にあったのだ)


両親は聖書、というか宗教全般が嫌いだった。家には仏壇があったし、法事やお墓参りはちゃんとしていた。でも、それは母の言葉を借りれば“おばあちゃん教”であって、一般の宗教とは違うのである。あとで知ったのだが、この宗教嫌いは父が大学生の時、趣味のサークルと言われて入ったものが実は宗教の勧誘目的のサークルで、酷い目にあったのがきっかけらしい。
そんな風だったから、本物の聖書というものをなかなか手にすることができなかった。学校に入る前から、ほかの本はいくらでも買ってもらえたのに、聖書だけは駄目なのだ。わたしは聖書に飢えていた。今考えると変な子どもだ。

そんなある日、たしか小学4年生くらいの時だったと思う。父が突然小さな本を2冊くれた。どちらもクリスチャンの子ども向けの本で、片方は宗教的な寓話がたくさん入っていた。もう片方は聖書の抄訳で、創世記からはじまって福音書から黙示録まで収められていた。
どうして父がいきなりその本をくれたのか、今もわからないのだけれど、とにかくわたしはこの2冊の本を読みふけった。教えよりは神話が好きな子どもだったから、創世記と出エジプト記、そして黙示録のところが特に気に入った。その後、中学生になり、自分で図書館に通えるようになって、ついに本物の聖書を読めるようになった。

しかし、聖書って実はものすごく読みにくい本なのだ。単純に長いとか、字が小さいというものあるけれど、福音書は反復が多いし、辻褄の合わないところもたくさんある。そもそも創世記からしておかしい。“神は自分にかたどって男と女を創造された”とあるのに、そのすぐ後に最初の作られたのは男だけで、彼が孤独なのを気の毒に思った神さまが男を眠らせ、肋骨を取って女を作った、とある。矛盾している。ちなみにこの最初に男と一緒に作られた女がリリスで、アダムに反抗して楽園を去り、その後肋骨から作られたのがイヴだ、という伝説がある。
そのほかにもモーセが割礼をしていないせいで危うく殺されかけたり(この頃の神さまは割礼へのこだわりがすごい)、あのノアの箱舟の大洪水を起こす理由が“人間が堕落したから”だけじゃなかったり、洪水で滅んだはずの巨人族がその後結構長く生き延びていたり、へんなエピソードがたくさんある。創世記から申命記まではモーセが書いたということになっているのに、申命記のラストはモーセの死が描かれているのもおかしい。いや、多分真面目に読む人はその前のレビ記か民数記あたりで挫折すると思う。ここには当時の法律がひたすら書かれていて、それはそれで興味深いのだけど物語としては退屈なのだ。

だから、という理由だけじゃないと思うのだが、聖書の再話はけっこうある。


個人的にいちばんおすすめな、ドレの挿画の入った聖書物語


旧約聖書の世界 [ ポール・ギュスターヴ・ドレ ]


ドレの新約聖書


あのナルニア国物語の『ライオンと魔女』は福音書の、そして『さいごの戦い』は黙示録の語りなおしだ。
『ライオンと魔女』はクリスチャンでなくても、キリストの磔刑の苦しみや復活の喜びをアスランを通して味わうことができる。


ライオンと魔女 ナルニア国物語 [ C.S.ルイス ]


そういえば父がうっかり入ってしまったサークルは今も活動を続けているらしく、わたしが大学生をやっていたとき注意喚起のメールが事務から来ていました。息が長いなあ。


聖書は今もちょこちょこ読み返しているので、機会があったら創世記から紹介したいと思います。






最終更新日  2020.07.18 20:00:07


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