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わが街小田急沿線

2018.03.17
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カテゴリ:鉄道
 小田急線の複々線化完成でダイヤ改正

 2018年3月17日、小田急線の代々木上原-登戸間の複々線化完成に伴い、電車を増発した新ダイヤが施行されました。
 増発により平日朝の最混雑区間の世田谷代田駅→下北沢駅の車輌数は273輌から338輌へ24%増え、混雑率は計算上、2016年度の191%から154%へ大きく低下したことになります。これはお隣の京王線(165%)、田園都市線(184%)より低い混雑率です。
 また、多摩線から新宿駅までの直通の急行が新設され、永山駅を平日朝の7:30に発車する電車の新宿駅までの所要時間は、小田急線が38分でダイヤ改正前の52分から14分短縮され、京王線の47分に比べ9分短くなっています。南武線の駅からは平日朝の登戸駅→表参道駅が2分短縮されて20分となり、田園都市線の溝の口駅→表参道駅の25分に比べ5分短くなっています。

 小田急線の複々線の構想は今を遡ること65年、1953年の小田急電鉄の社内報に載った「小田急の夢」に見ることができます。これは25年後、つまり1978年の小田急線の姿を思い描いた文章です…
「綜合駅としての新宿ビルからは各方面へ列車が発着し、小田急線としては1階を着車ホーム、2階を発車ホームとして各列車はビルに吸いこまれ、又吐き出されてゆく。新宿から都心方面へは、一部を除き地下を走り、朝夕のラッシュ時には5両編成の最大輸送力を発揮している。この都心乗入によって本厚木辺りまで沿線には住宅がぎっしりと並び、田と畠だけだったかつての様相を一新している。
 更に目を驚かすのは、新宿綜合駅の完成と共に新宿~本厚木間の複々線が実現したことである。」
…つまり、この文章には終点の新宿駅から更に都心へ地下鉄によって乗入れている姿が描かれています。また、当時の国鉄の東京~横浜間の線路のように複々線になっていた例があったとはいえ、小田急線が普通車輌2輌編成、特急車輌3輌編成の時代に複々線に思いを致していたということは、どう考えていいのか、子供的突飛な発想か、将来を的確に見据えた先見性か、とにかく現在の小田急沿線は複々線化が必要なまでに発展してきたわけです。

 小田急線の複々線化の現実的原点は、東京の電車の混雑が増してきた1962年に建設省都市交通審議会によって答申された10の地下鉄路線のうちの、常磐線から都心を通り小田急線へ通じる路線の構想です。当初計画された小田急線側の経路は原宿から代々木公園、駒場の東京大学の敷地を通り、東急玉川線(現・東急世田谷線)の若林駅か世田谷駅の付近で世田谷通りの下に入り、小田急線から約1km南に離れた上町、馬事公苑、放送技術研究所、国立大蔵病院を通り、成城の南から地上に出て喜多見駅に至るものでした。
 しかし、小田急電鉄の社内では当時「乗降客の最も多い近郊区間の南半分の駅勢圏を失ってしまう」という意見が強かったため、小田急電鉄が建設省に経路の変更に関する要望書を提出し、この結果、小田急線の複々線化による地下鉄電車の乗入れという形に落着きました。
 1972年には都市交通審議会の答申で、この路線を綾瀬(常磐線)~代々木上原~新百合ヶ丘~橋本とし、代々木上原~新百合ヶ丘は複々線とする案が示されました。


           小田急線と千代田線の路線図

 複々線化工事は1989年に喜多見~和泉多摩川間2.4kmを着工し1997年に完成、1994年に世田谷代田~喜多見間6.4kmを着工し2004年に完成しました。和泉多摩川~登戸間0.9kmの複々線化工事と登戸~向ヶ丘遊園間0.5kmの3線化工事は1999年に着工し、2009年に完成しました。
 世田谷代田~和泉多摩川間は成城学園前駅付近を除いて高架化されましたが、東北沢~世田谷代田間1.6kmについては高架化に対して反対意見が強く、着工が遅れ、2003年に地下化が決定されました。そして、2004年に着工し、2018年に完成しました。これにより初期の着工から29年の時を経て代々木上原~登戸間11.7kmが複々線化され、電車の増発が可能になり新ダイヤが施行されました。

 
   新ダイヤで運行が始まった複々線区間。左から各駅停車新宿行き、
   快速急行新宿行き、特急箱根湯本行き、各駅停車本厚木行き。
    (4枚の合成写真)(世田谷代田-梅ヶ丘 2018年撮影)

 登戸から世田谷代田付近までは4線の内側が特急・急行線、外側が準急・各駅停車線。下北沢駅では地下2階が特急・急行線、地下1階が準急・各駅停車線となって、東北沢付近からは入れ替わって外側が特急・急行線、内側が準急・各駅停車線となっています。

 向ヶ丘遊園~新百合ヶ丘の複々線化については「どのような形でやるか、具体的な勉強を始めている」(小田急電鉄・2017年3月)とのことです。この区間が複々線化されれば多摩線から都心へ向かう電車を大幅に増発でき、多摩線各駅の乗降客数が増え、多摩線を建設した意義も増していきます。

参考図書、ウェブサイト:
「小田急五十年史」小田急電鉄1980年発行
「小田急80年史」小田急電鉄HP
「東京圏における主要区間の混雑率(2016年度)」国土交通省HP
                            (おしまい)









最終更新日  2021.03.03 23:37:44
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Re:小田急線の複々線化完成でダイヤ改正(03/17)   通りがかり さん
はじめまして。
突然の話で恐縮ですが昭和50年代~バブル期の小田急線の準急綾瀬行きは相模大野出発時どれくらい混んでいたんですか?また夕方の地下鉄からの準急本厚木行きはどれくらい混んでいたんですか?教えていただければ幸いですが。 (2018.05.22 09:25:04)

Re:小田急線の複々線化完成でダイヤ改正(03/17)   ミネット22 さん
私は経堂駅近くに在住していますので、相模大野付近のことは分かりません。また、当時千代田線直通の準急は経堂に停まりませんでしたから、経堂付近の混雑具合も分かりません。どなたか教えて頂けるといいのですが… (2018.06.09 18:00:23)

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