小田急線開通90年(12) 小田急線乗降客数の推移
小田急線開通90年(12) 小田急線乗降客数の推移 小田急線各駅の1日平均の乗降客数は開業以来どのように推移してきたでしょうか。主な駅について見てみましょう。 新宿駅~小田原駅が開通した翌年の1928年、新宿駅以外は1万人未満の“田舎の駅”でした。第二次世界大戦が終わった翌年の1946年、多摩川以東の駅や町田駅は1万人を超えてきました。戦後復興が終わった頃の1955年には10年で倍増した駅が目立ちます。 高度成長時代の1965年には1946年の3倍増か、それ以上増加しています。マンションや団地が増加した1972年には町田市にある鶴川駅が7年で3倍以上に増加するなど各駅が大幅な増加となりました。1978年に地下鉄千代田線と接続した代々木上原は1985年には乗入れ電車利用客を含め、約16万人に増加しました。 その後、2005年にかけては我が国の景気後退の影響で各駅で伸びが鈍化、または減少しましたが、その後の景気回復で2016年には代々木上原で25万人と大幅に増加するなど、増加する駅が目立っています。 主要駅の乗降客数の推移(太字は乗換え駅) 年 __1928__1935___1946___1955____1965___1972___1985____1998____2005____2016 新 宿 _2,1485_3,1780_7,5403_13,3768_34,7362_48,9364_48,4368_50,0793_48,6765_49,9919代々木__2168__3545___6314__1,2794__1,8087__1,7991_16,1274_17,1060_18,2257_25,5378上原下北沢__2568__7386__2,4051__4,6700__8,4089_12,6863_13,9200_13,1884_12,7048_11,4922 経 堂 __1326__4782__1,6748__2,7802__4,7512__5,7482__6,6104__6,4451__6,5916__7,6363成城 __2419__3905__1,4543__2,1335__4,7021__6,1805__8,9176__9,0007__7,7911__8,8727学園前 登 戸 __594___701____6349__1,4243__6,2248__9,9361_11,1658_13,9029_13,4448_16,2422向ヶ丘__988__1132____6549__1,0152__3,7403__5,7148__6,3034__6,5064__6,4199__6,6484遊園新百合ヶ丘_________________________________________3,8139__9,7448_10,6525_12,5659多摩センター_______________________________________1,3779__2,9878__3,6495__5,0585 鶴 川 __359___256____2775____3495____8597__3,1673__5,0901__6,0413__6,6647__6,9224 町 田 _1139___928__1,4672___2,5979__8,6434_14,5876_23,6259_27,9498_28,1280_29,1802相模大野_____________2975____6239__4,4689__7,7975__8,7864_10,9717_11,3093_12,9096 海老名_______________4320____8095__2,1832__4,0835_10,5741_13,6223_13,3132_14,8434新宿から45km、急行で約55分の本厚木駅、そしてそれより小田原寄りの駅も1972年頃から多くの大学や事業所が進出して乗降客数が大きく増加しています。中でも愛甲石田駅の乗降客数は1972年の約7000人が2016年には約5万2000人と、7.5倍になっています。愛甲石田駅から5kmのニュータウン「森の里」をはじめ、周辺には住宅団地や工場が多く建設されています。 年 _1929__1935__1946__1955__1965___1972___1985___1998____2005____2016本 厚 木_1238__1034__9394_1,2688_4,3569_6,8515_13,5650_15,0682_14,1390_15,3562愛甲石田 __?____?____?____?_____?_____6985__2,2297__4,8937__4,5686__5,2110伊 勢 原_1112___889__7025___6675_1,7752_2,7008__4,5479__5,3187__5,0170__5,1909 秦 野 ___1438__1243__9607_1,1469_2,1874_2,6622__3,3485__4,1181__4,1102__4,3026小 田 原_2343__2241_1,2475_1,8933_4,8521_6,1794__7,8789__6,9580__6,3600__6,6612 年 __1929__1935__1946__1955__1965___1972___1985___1998____2005___2016中央林間____?____?____?____?_____?__1,1468__4,2256__7,5937__8,4104__9,7637南 林 間____50__221__2358___4214_1,9021_2,7616__3,5279__3,5125__3,1860__3,3398 大 和 ____234__102___3597_1,0589_4,1372_7,3844_10,9496_11,6525_10,2765_11,6691 長 後 ____548__275___5347___6324_2,1642_3,3496__4,9677__4,5493__3,5694__3,5141湘 南 台________________________________1,3682__3,0465__5,0427__7,6247__9,0802 藤 沢 ___2478_1862__1,8979_2,8612_6,5948_9,8948_13,8261_15,6270_14,2109_16,4255 代々木上原駅~登戸駅の複々線の完成により2018年3月17日から列車が増発され、朝の最高混雑率が192%から150%程度に改善される見込みです。また、平日朝、小田急多摩センター駅~新宿駅の所要時間が54分から40分に短縮されるなど、全般に所要時間が短縮されます。また、地下鉄千代田線直通電車は平日朝の1時間当たりの本数が現在の5本から12本に増加します。 小田急電鉄では隣を走る田園都市線、京王線からの流入で乗客数は3~4%増加すると見込んでいます。これらのことから、新宿駅、代々木上原駅~登戸駅、また、複々線が完成していない区間でも都心への通勤圏にある駅では2018年度以降も乗降客数が増加すると予想されます。参考図書、ウェブサイト: 「小田急五十年史」小田急電鉄1980年発行 「小田急50年」小田急電鉄1973年発行 「小田急 車両と駅の60年」大正出版1987年発行 「鉄道ピクトリアル12月号臨時増刊<特集>小田急電鉄」鉄道図書刊行会 1999年発行 小田急電鉄HP(乗降客数は自治体のHPでも公開されます。) (つづく)