霧事件
霧事件
ロンドンは霧の都。
そう言われている。
昔ほど、ではない。
ロンドンに住んでいた時だって、霧に出くわした事などなかった。
が、違う場所で私は霧によって悲惨な目にあった。
あれは、一人でアイルランドに行ったかえりだった。
自分が住んでいる所から電車で
ウェールズの端にあるホーリーヘッドと呼ばれる町に行き
船で、アイルランドに渡った。
もちろん、帰りもそうだった。
なんだか、しけっぽくて
船が大揺れする。
気分が悪くなって仕方ない。
時計を見ると、れ?あとちょっとで電車の出発時間じゃない!
間に合うの?って不安にかられる。
走りました。走ったけど、間に合いませんでした。
どうすんのよ?
最終電車までは、あと、5時間以上もあるのよ!
と、とりあえず、スタッフに遅れて帰りますって連絡しないと
と電話する。
「ココだけど、リーダーいる?」って聞く。
「は?誰?」とつめたい言葉をいわれる。
え~通じない。
だって、私の名前は発音しにくいらしくって
ほとんどのスタッフがココって呼んでたから・・・。
なんでって思いつつ、
「○○○○だけど」って本当の名前をいう。
そしたら、「あー、ココね、最初からそう言いなさい」って怒られる。
ま、必要事項だけ言って切る。
あと、何時間もここでどうしようって悩む。
と、周りを見ると、なんだか、バタバタしている。
アナウンスが流れている。
よく、聞くと、
「霧のため、電車が発車しませんでした」っていう。
え?これからどうやって帰るのよ!
明日は仕事よ。
泊まるとこはあるの?
え~、最終電車も止まったらどうするべ。
考えたが、どうすることもできない。
と、そのとき、皆が動き出す。
何かと思ったら、
臨時バスがでて、近くのチェスターっていう
駅まで行くらしい。
行列にならんで、いざ、出発したものの、
霧のため、なかなか、動かない。
渋滞。
やっと、駅から脱出して、
ようやく、霧のすごさに気付いた。
視界0じゃないのよ?
チェスターに着くのはいいが、
電車はあるの?って不安になる。
ようやく、何時間もかかって、
チェスターに着いた。
ダッシュで電車に乗る。
シュールズベリーという駅まで行く。
そこから、乗り換え。
やっぱり、最終電車になってしまった。
それでもいい帰れるなら。
無事に施設に着いたのは、夜中の2時でした。