スノードン山登山事件その壱
スノードン山登山事件その壱
山登りは好きでない。
もともと、運動は好きでない。
辛い事、面倒な事、体力勝負に、集中力、まして、精神力。
そういうのが、全く、ダメなほうだと自分ではそう思う。
でも、散歩ぐらいならってそう思う。
北ウェールズに位置する、ウェールズ一高い山、スノードンがある。
なんだか、スノードンには縁があって、自分の住んでる町から、ものすごく遠いわりには、
よく行った観光地であった気がする。
一年、居た中で、北ウェールズに行ったのは、2回にも及ぶし、アイルランドに渡った際も、
北ウェールズは通ったとこである。
一度目は、3月の終わりごろに行った。
ある友人と行きました。
私の住む町の駅で待ち合わせをして、バンゴールという町に向かった。
着いたのは、夜10時を過ぎていた。
向かう場所は、とあるB&B。
そのB&Bは、とてつもなく安い。
ある有名な観光ブックに載っていた。
そこに、3泊した(はず)←記憶が全くゼロ
電話で、どこにあるか聞いたはずなのに、全く、分からない。
駅からすぐなのはずなのに、見つからなく、
繁華街に近いとこまで出てしまう。
もう一度、電話して、聞いてみる。
周りは、若い人たちの集団でいっぱい。
ひやかされる。
友達と「目をあわさないようにしよう」と心がける。
ようやく、迷いながらも、B&Bにつく。
B&Bは人との出会いがあっていい。
でも、今回は、すごく、恐おもろいだった。
その人はおばさんで一人で暮らしている。
すごく、親切なのだが、すごく、自分中心のやさしさなのだ。
ルールを持っている。
例えば、洗濯物をしないって事。
宿泊客が洗濯物をして、暖房機にかけ(ヨーロッパタイプの暖房機、板みたいなのが熱くなるの)、
その横の壁紙を濡らしてしまい、大変な目にあったらしい。
その他、イロイロルールがあった。
なんだか、居心地がよくないねって言ってた中、友達がタオルを持ってこなかったので、
お風呂に入ると、タオル入れに鍵がしてなかったから、勝手に借りるという。
ココは「それってあんまよくないんじゃない?最初に聞いたほうがいいんでない?」と言っていたら、
彼女が来たので、聞いてみた。
そしたら、少し嫌な顔はしてたけど、「もう使いました」って言ったら、仕方ない感じでオッケーしてくれた。
「すごいいやそうだったね」と話してから、少し。
ココがお風呂にいくと、すでに、鍵が閉まっていて、友達と大笑い。
ココのクセで、タオルを髪にまいたまま、寝てしまうのがある。
ちょうど、そんときも、友達としゃべりながら、濡れたタオルを頭にまいて、
ベッドの上で横になってたら、彼女がやって来た。
「ま~、あなたどうしたの~?」と顔をひきつらせながら、言う。
やぺ、どうしようととっさに、「ちょっと、熱っぽくって・・・」とうそをつく。
「それはいけないわ!そんなことしても、よくならないから、おきなさい。
私が、頭を乾かしてあげる!」っと、私を無理やり、起こさせ、
タオルで私の髪の毛を、フキフキしてる・・・
NOといえない私・・・
必死で「もう大丈夫ですから」という。
そうすると、「風邪には紅茶がいいのよ。紅茶を持ってきてあげるわ~」といってきた。
「はい」というと、彼女は立ち去った。
と、友達と目と目を合わせ、「絶対、アイツ、風邪とかじゃなくて、ベッドのシーツを汚されたくなかったんやで!」
っと、言いまくる。
その後も彼女の猛チェックに合わされる。
その次の日、うちらはスノードンに行った。
あいにく、あまりいい天気ではなく、登山には不向きな天候だった。
みやげ物屋の人に聞くと、「頂上は、雪が積もっていて、危険だ」と教えてくれた。
私はその日、体調が悪く、登山したくなかった。
でも、友達はせっかく来たからと上りたいらしい。
スノードンには、登山列車があって、頂上まで行く電車がある。
その列車さえも、頂上にはいけず、途中までしか、行かないらしい。
とりあえずと、途中までとその列車に乗ることにした。
着くと、大雪で、視界もあまりよくなく、寒い。
友達は、登ってる人がいるよっと、ここからでも、登ろうよって言う。
私は体調悪いし、一寸先は闇みたいに、見えないし、危険だよ。
登るなら登るで、ちゃんと重装備をしていったほうがいいし、と断る。
で、結局、その子もあきらめて、一度目のスノードンが終わってしまった。
結局、私は、7月にもう一度、行けれたのだが、
彼女はそれっきりだったみたい。
なんだか、それを思うと、一緒に登ってあげたかったなって思ってしまいました。