category "Ｉ"

「2つ下の妹は、保育園勤務の栄養士。
6つ下の妹は、来年、国家試験を控えた看護学生」

「あれれ、お姉ちゃんは？」


仕事明けの事務所。
隣のネットカフェのアルバイトくんが、
理の同級生で仲の良い友達であるということが判明したのをキッカケに、同僚と兄弟の話になった。

「妹達から、お姉ちゃんなんだからしっかりしてよ！ってよく言われるよ」
苦笑いを浮かべながらそう返した私に、同僚もまた苦笑いを浮かべながらこう返した。

「どこん家の長男、長女もそんなもんなのかもな。
俺も長男やけど、下の方がしっかりしとるんよね。俺はいつまで経ってもフラフラしよる」


弟妹達に対する劣等感。
年齢的なものもあるし、早くまともな仕事に就かないと、という焦燥感。
それらを抱えて、そして誰かにそれらを悟られないよう隠して生きてきた（少なくとも私は）。

お互いきっと、ちゃんと・・・・しっかりした長男、長女を知っている。でも―
『どこの家の長男、長女もそうなのかもね』
そう言うことで彼も私も安心したかったんだろうね。自分だけじゃないのだ、と