テーマ:食べ物あれこれ(50287)
カテゴリ:cooking
「すげっ、あの量のカレーを全部喰っしまったんやね」
空っぽになった寸胴を覗き込みながら宮口が言った。 夏場は、この業界の書き入れ時だ。 給料日後最初の週末だから皆、今日明日は忙しいであろうと見込んでいた。 『忙しい=賄いをいちいち作っている時間はない』 そんな図式の下、明日の分も兼ねて20人分のカレーを作ることにした。 週末の仕込みは、かなりの量で、賄い作りに時間を掛けている余裕はない。 いつもは店長のリクエストに応えて、玉葱が飴色になるまでじっくり炒めるのだが、今日は無理。 その代わり、玉葱がトロトロに溶けるまで、長く煮込もうと思い、水を5L投入。 (因みに、5Lの水にそのままルーを投入すると約40人分のカレーが出来上がります) 時々灰汁を取りながら、コトコト煮込むこと2時間弱。 予想以上に水かさが減っていたから、水を足し、30人分のカレールーとコンソメを投入。 ここで皆様、あれ?と思われるでしょう。20人分なのに30人分のルーを入れるの!?と うちの店、従業員が10人居たら、10人分のカレーでは足りないのです。 15人分作らなければ、全員には行き渡らないのです。 上記理由から、30人分(うちの店では20人分)のカレーをオーダーの片手間作った。 厨房に満たされるカレー独特の匂い。 厨房スタッフもホールスタッフも寸胴の中を覗き込みながら口々に言う。あ~、早く食べたい!! 作り手としては、その言葉が、笑顔がご馳走なわけです。嬉しさのあまりテンションも上がります ところが、数時間後に寸胴の中を見て驚くこととなる。冒頭の宮口の言葉― 「すげっ、あの量のカレーを全部喰っしまったんやね」 そう、あの量のカレーを11人で全て平らげてしまったのだった。 恐るべし、うちの腹ペコ従業員!!ああ、今日は何を作ろうかなぁ… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 4, 2007 03:27:38 PM
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