2007/03/12(月)09:44
selfish person
「体調が悪い時だけ、甘えるんやね」
普段、私は彼にベッタリくっ付いたりはしない。
ベッタリくっ付くことが苦手、というわけでもなく、
私が甘えられない性格だから、というわけでもない。
何かをしていて、ちょっかい出されれば反応するし、
甘えられればギュッと抱き締めてることだってある。
日常生活において、その逆だって、勿論ある。
ただ、普段、私から、ということがあまりないだけだ。
「あんまり甘えてくれんのやね」
自宅に持ち帰った仕事をしながら、
リビングでTVを見ながら彼は言う。
彼が何かを始めると、それに合わせて私も動き出す。
掃除、洗濯、食事の支度・後片付け、アイロン掛け…
転寝している彼に毛布を掛けて、横に座りお勉強。
私のそんな様子を見て彼が、少し寂しげに言う。
もっと自分に甘えてくれても良いのに、と。
『猫のようにピッタリくっ付いて、甘えたい』
という気持ちはあるよ。
でもね―
“彼は今、○○してるんだし、
私は別のことをしておいた方が効率良いかな”
“疲れているのだろうから、暫くそっとしておこう”
という考えが先行するの。勝手に体がそう動く。
(やっぱり甘えられない性格?)
例外もある。
眠かったり、体調が悪かったりすると、
彼が何をしていようがお構い無しにピッタリくっ付く。
「本当、勝手なヤツだな。我が侭な猫みたい。
眠たい時と体調が悪い時だけ、俺に甘える」
寝そべった私の髪を撫でながら、彼は言う。
そして、いつもこう付け加える。
“いつもこうなら良いのに…”
いつだってそうしていたい気持ちはある。
だけど、理由がないとすることが出来ない。
自分の中でそうする理由を作れないと出来ない。
「普段、ちょっかい出すと、毛を逆立てる。
眠たい時と体調が悪い時は、体を摺り寄せる。
我が侭で勝手気儘な猫と一緒に住んどるみたい」
いつだったか、彼からそう言われたことがあった。
我が侭な性格なのは、私がよく存じ上げております。
でも、そんな私に惚れたのは、あなたでしょ?
つき合ってやってくださいな。
「眠たい時と体調が悪い時だけ、甘えてくる。
でも、いつも元気をくれてありがとう」
私がシュンとしていると、彼も暗い顔になる。
私が元気で笑顔で居れば、彼の笑顔も増える。
自分の姿を鏡に映してみたかのような、その表情。
ああ、そうか。
そうだったんだね。
私は、彼の原動力を補填する充電器の一つなんだ。
だから、毎日出来るだけ笑顔で居られるようにするよ。
だけど、その充電器にだって、充電する時も必要。
今日は、少しだけ甘えさせて―
Photo by NOION