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Feb 25, 2011
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カテゴリ:チーズ
ふとした疑問をツイッターでつぶやいてしまいました。

『ワインは亜硫酸塩の表示義務があるのに、チーズの塩化カルシウムは表示義務無いのか?』

チーズの食品添加物に、「塩化カルシウム」が使われているのを知っていますか?
もちろん、使っていない生産者もたくさんいますが、結構使うのが当たり前と思っている生産者も多いのが現状。
日本のチーズ生産者は「入れなさい」と教わっている方がほとんどかと思います。
日本で一番大きいチーズの教育機関のホームページでも、製造工程に当たり前のように書かれています。
そもそも「なぜチーズ作りに塩化カルシウムが必要か」って事。
牛乳にはカルシウムがタップリって宣伝しているのに、さらにカルシウムを添加しなくてはいけないっておかしいと思いませんか?

カルシウムを添加しなくてはいけない理由はミルクの『殺菌』にあります。
殺菌の仕方についてはここでは割愛させていただきます。
カルシウムは熱に非常に弱い性質があり、加熱殺菌をするとミルク中のカルシウムが欠乏してしまって、チーズにするときにミルクが凝固しにくくなります。
そこで、カルシウムが欠乏した分を補うために塩化カルシウムを添加しています。

余談ですが、日本では殺菌したミルクに塩化カルシウムを入れていますが、私が教わったフランスの製造講師は殺菌の前に入れろと言っていました。
日本の考えは「欠乏したカルシウムを補う」ですが、
フランス人講師は「欠乏をできるだけ防ぐ」
と言っていました。
まぁ、どう捉えるかはそれぞれの自由かと思いますが、結構大きな違いです。

さて、話は戻って、そもそもミルクを殺菌しなければ塩化カルシウムなんて添加しなくて済むんです。
なぜ?殺菌するのか?
法律で決まっているから?
いえ、牛乳を出荷するには法律で殺菌が義務付けられていますが、チーズの製造は殺菌しなくてはいけないとは書かれていません。

では、殺菌しないとバイ菌や雑菌が多くて早く傷んでしまうから?
いえいえ、実は生乳(なまにゅう・無殺菌乳の事。以降“生乳”と記載。)よりも殺菌乳の方が腐りやすいんですよ!
そもそも、ミルクは血液が乳房を通り子牛の栄養となるもの。
雑菌やバイ菌がいるはずありません。
むしろ、生乳には有用な菌や栄養素がたくさんいます。
一方、殺菌乳はその名の通り「菌を殺している」ので、ミルクは菌の少ないクリアーな状態。
ミルクは大変栄養価が高いですから、本来なら守ってくれるはずの菌も少ないミルクに雑菌が入ったら一気に繁殖します。
健康な搾りたての生乳は一日くらい常温で放置しておいても腐ることありません。
お腹の弱い私が体験していますから。

さても一度話を戻して、チーズはなぜ殺菌乳を使うのか?
それは、上記の通り元々いた菌がが少ないので、新たに添加した乳酸菌が上手に繁殖しやすくするためです。
そう!安定した味のチーズを造るには殺菌乳の方が造りやすいんです。
日本人は「いつでも同じ味」を求めますからね。殺菌乳のチーズはいいのかもしれません。
しかし、み~~~んなが、殺菌した綺麗なミルクに、似たような乳酸菌いれて、似たような形のチーズを作ったら、個性の無い味ばっかりになっちゃいますよね。

なので、フランスやイタリアなどではAOPやDOPと言った法律で守って、
「このチーズは殺菌乳」「このチーズは無殺菌」
とそれぞれ味の“個性”を守っています。

よく、「日本のチーズは個性が無い」と言われますが、こんなところに原因はありますねぇ。
「じゃぁ、日本でも生乳で作ればいいじゃん!」
と言われますが、先に殺菌は義務では無いとは書いたものの、通例としてチーズの製造のミルクは殺菌するものとなってしまっています。
悲しい現状…。

塩化カルシウムに戻ると、すべての生産者が使っている訳ではありません。
もちろん、殺菌をすればカルシウムが欠乏しますが、それを色々技術で補って使用しなくてもしっかりとしたチーズを製造している生産者も多くいます。

判別するのは難しいですけど(私も分からない)、日本でチーズが造られ続けるなら、乗り越えなくてはならない“壁”の一つでしょうねぇ…。

以上!『なぜチーズ製造に塩化カルシウムが使われるか』でした。


※塩化カルシウムは、豆腐の凝固に使う“にがり”にも含まれていますので、安全性は比較的高いと言われている食品添加物です。
ただし、継続して摂取し続けると害を及ぼすともいわれております。





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最終更新日  Feb 25, 2011 09:08:44 PM
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