毎日感じたこと、時々は台湾のこと

2006/08/14(月)23:32

行水と亀とトム_20060814

日本人が忘れたこと(17)

?????? 『行水』 ??????? これはなんと読むでしょう。 そして、どういうものでしょうか。 俳句では、夏の季語であり、日本の夏の風物詩です。 といいましても、現在では、ほとんど、見掛けないでしょう。 行水にふさわしい舞台は、下町で、小さな庭がある家です。 暑い日の午後、その庭に『たらい』を出し、水を入れます。 そこに、ざぶんと飛び込んで、ひと時の涼を求めるのです。 まさに、日本の夏ですね。 (キンチョー蚊取線香を思いだします) *********** それだけであれば、俳句の世界なのですが、その行水を盗み見る人間がいると、川柳の分野になります。 この『盗み見る』とは、道路と庭の間にある『塀』の穴(なければ、無理にあけてしまいます)から、行水をしている人をのぞくのです。 もちろん、『のぞく』のは、男(青年か、中年、ごくまれに老年もいます)で、『のぞかれる』のは、女性(まあ、若い女性です)です。 女性は、なぜか、敏感ですから、自分が『のぞかれている!』と、すぐわかるのです。 その女性は、あわてず、騒がず、水を『塀の外ののぞき見男』にぶっかけます。 それで、一件落着です。 なぜって、『のぞき見男』は、抗議できませんから。 ************* ところで、『のぞき見』の常習者を『出歯亀』と言います。 語源は諸説ありますが、常習者のあだ名であったという説が有力です。 英語では、『ピーピング トム』が該当します。 なぜ、そういう名前がついたか、それを説明しましょう。 ************* 中世イギリスの、ある地方でのお話です。 そこの領主は、非常に強欲で、領民から、税金を取り立てることばかり考えていました。 ある日、領民は、また新しい税金をかけられると、聞かされました。 これ以上、税金は払うと生活できないと覚悟した領民は、領主の奥方に訴えました。 奥方は、領主に似ず、領民にやさしかったのです。 奥方から、領民の訴えを聞いた領主は、少し考えて、奥方にこう言いました。   わかった、そなたの顔をたてて、新しい税金は、やめにしよう。   ただし、そなたは、身に一糸もまとわぬ姿で、馬に乗り、領内をまわらなければならない。 奥方は、領民のため、その姿で領内をまわることにしました。 それを聞いた領民たちは、その日は外にでず、窓も締め切って、奥方の姿を見ないことを誓いました。 事実、その日は、領民たちは、その誓いどおりにしました。 一人を除いては。 その男の名前が、『トム』だったのです。 へい、お退屈様でした。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る