ファーストキス~7.笑顔のキス~(59)
よかったんだよね。 あれだけ嫌だったけど、しちゃったら何で嫌がってたんだろうって思う。 何が変わったってわけじゃないけど……。 気持ちの中で。 ちょっとした変化が起こった気がするの。 それは多分……。 わたしだけじゃなくて、竜也もそうだと思う。「おはよ」「あっ、おはよー」 竜也に笑顔であいさつする。「竜也、おめでとー」 竜也が深夏の言葉に不思議そうな顔してる。「花澄とチュウしたんでしょ?」 竜也がわたしを見た。 わたしが言ったと思ってる。「優也、優也」 わたし、首を振る。 何でもわたしだと思わないでよー。「優也のヤツ……」 竜也が教室を見回して、優也を探してる。「竜也、それ以上のことはするなよ!」 深夏が付け加えた。「深夏!」 わたし、思わず大声になっちゃう。 だってー。 竜也は竜也で顔を赤くしてるし……。 もぉー。 でも……。 こういうのが楽しくって。 今の生活が続けばいいなって思ってます。 -END-