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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8524)
カテゴリ:なりそこない(詩)
大人になって、失くしたものがある。
それは、「知らない時間」。 夜10時を過ぎたら、 「パパおやすみなさい、お母さんおやすみなさい」 って2人にあいさつして、布団に入らなきゃいけなかった。 だから、深夜は知らない時間。 何もかもが活動を停止して、 街中が死んだように眠る、しんしんと闇の時間・・・。 何が起こっているのか誰も知らない。 わくわくして、ちょっと怖くて、神秘的! 「丑三つ時」って、オバケが出るんだよ。 トイレに行くのが怖かった。 何かに出会ってしまうかもしれないから。 新年に0時まで起きてると、なんだかウキウキした。 初めて徹夜をした時の、ドキドキを覚えてる。 なんだか悪いことしてるような、わくわくするような。 そして、やっぱりちょっと怖かった。 何かが始まるのかもしれない。 どんな不思議な物語が、始まるのだろう・・・? そして今、あたしは大人になった。 もう、全部の時間を知ってる。 夜の帳が落ちても、誰もが活動を停止するわけじゃないって、知ってる。 丑三つ時に活動的になる人もたくさん知ってる(笑) ドラキュラが人を襲ったり、狼男が月を見て変身したり、 不思議な空飛ぶ汽車が降りてきたり、 こっそり探検に出かけた子供達が大冒険に巻き込まれたり、 どこかの世界と繋がる扉がうっかり開いてしまったり、 森の動物達が木いちごのお茶で語らってたり、 ダメだって言ってるのに誰かが復活の呪文を唱えちゃったり、 満月さんが太陽さんを地球の裏側まで探しに行ったり、 ユニコーンが天の川で水浴びしたり、 ・・・そういう事は、どうやら起こってなさそうだ。 だって、朝まで起きてても、得体の知れないものに出会ったことは一度もない。 あぁ、残念★ なぜ知ってしまったんだろう・・・。 ・・・でも、もしかしたら、毎夜不思議なことは起こっているのかもしれない。 あたしが気付いていないだけで。 だったら、いいな♪ ううん、きっとそう。 毎日が大冒険でファンタジーですもの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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