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カテゴリ:接木
早春、当地では北風が強く接木する手も凍えます。 接いだ枝にも寒風が容赦なく吹きつけます。 人は冷たい風で耐寒温度が変わって来ます。枝もきっとそうでしょう。 接いだ枝にとって一番の大敵は乾燥でしょうか。
春の場合、大概接いだ枝にビニールの袋かけを行います。 これは保湿が目的。 但し厄介な問題も発生します。 温度上昇です。適温からさらに高くなることにより萌芽と繋がって行きます。 さらに強風でビニール袋がたなびきます。枝も落ち付けません。 接いだ部分の活着が十分であれば萌芽は大変有難いことですが、芽は温度上昇を感知し自分の枝の養分を使って展葉を始めます。本来萌芽は台木から吸い上げた養分で成長しないと行けません。 接木も挿木も順番と言うものがあります。 その順番が狂いますと成功の確立が落ちて来ます。順番が狂った場合体力勝負となります。体力の強いものは生き残り、弱いものは枯れて行きます。 穂木の養分は出来れば全てカルス形成・活着に使われるべきです。
一方秋は風も弱く、非常に穏やかです。 気温も植物の細胞分裂には問題ありません。 台木の根が成長する時期でもあります。 根が成長すると言うことは台木から養分を吸い上げてくれます。 春、樹種により接木の適期が異なるのはこの根の成長時期が異なることを意味します。 この秋の空気の状態、ビニールの袋掛けは必要無いのでは。接木しながらそんなことを思いました。 穂木の養分は切り口の活着に全て向けられそうであります。
今年の秋(9月下旬~10月中旬)、桜桃・リンゴ・梨などの接木を試してみましたが春より順調に行きました。 ほとんどが成功? ビニールの袋掛けは一切行っておりません。(逆にビニールを掛けますと失敗するかもしれません) (秋の接木 桜桃10本・リンゴ6本・梨6本。正確に数えておりませんがその程度です。秋は初めての接木でテストです。)
最終結果は来春に萌芽し、順調に伸長して来れば成功です。 寒い冬までにしっかり活着してくれることを祈ります。
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