019088 ランダム
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こんにちは、命!

こんにちは、命!

凍結胚移植 ~ 2007年秋

ムスメが1歳半になる夏を過ぎたら、二人目への治療を再開しよう。

以前から漠然とそう決めていました。

実際に治療を受けた私、そして夫とムスメの3人4脚で歩んだ2007年秋から2008年冬の記録です。

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2007年9月   
ムスメの時にお世話になったクリニックを再訪。
夫と私は血液検査を受ける。

2007年10月   
ホルモン補充周期始まる。

2007年11月2日 
3日培養分割胚3つを解凍、移植。
うち2つは解凍時に分割を止めてしまっていたのでかなり気落ちする。

embryos - 2007

2007年11月9日 
7dp3dt
HPTの誘惑に勝てず検査。はっきりくっきり陰性。

2007年11月11日
9dp3dt
いわゆる妊娠初期の状態が出始めて、ホルモン剤の副作用か、まさかの妊娠か判然としない。
再度試したHPTでか~す~か~にかろうじて見えるか?という程度。

9dp3dt-2007

何らかの反応を見たのは嬉しかったが、ムスメの時はこの時点でもっと濃い陽性だったことを思うと厳しいかもしれないと心のどこかで感じ始める。

2007年11月12日
10dp3dt
何とか肉眼で見える程度で、願うようには濃くならない。

10dp3dt

2007年11月14日
12dp3dt
その後もHPTを試すが、どうしても濃くならない。

2007年11月16日
14dp3dt 4w3d 判定日
血中hCG検査で陽性と判定されるが、値は130mIU/mlとかなり低い。
(この頃の平均値は単胎妊娠で約300mIU/ml*)
*hCG値の平均値はThe Betabase.infoサイトから検出しました。

2007年11月17日
15dp3dt 4w5d
夜になって、再度HPTを試す。
反応が濃くなった。

15dp3dt-2007

2007年11月19日
17dp3dt 4w6d
2度目の血液検査で血中hCG値は526mIU/ml。
(この頃の平均値は単胎妊娠で約850mIU/ml*)
倍化速度は35.7時間。
まだ平均値より低いが、予想以上の倍化具合を見せてくれた。

2007年11月26日
24dp3dt 5w6d
3度目の血液検査をお願いする。
結果は>5000mIU/ml。
(この頃の平均値は約7000mIU/ml*)
倍化速度は約51時間とかなり減速。
1週間かけてようやく10倍程度という状態にガックリする。
ムスメの時は20倍近かったのに、と予後の悪さを予感させる。

2007年12月3日
31dp3dt 6w6d
判定後初めての超音波検査。
CRL6mm、卵黄嚢4mm×4mm、心拍は156bpm。
胎嚢が12.5mmしかなく、覚悟していたようにhCG値の伸び悩みが証明されてしまった。
でも、会うことができないだろうと半ば諦めていた命を確認できたことは、もうそれが空に帰ってしまった今振り返ってみても忘れ難い感動だった。

6w6d - 2007


2007年12月17日
37dp3dt 8w6d
12月17日という、これまで私にとって何の意味も持たなかった日付が生涯忘れられないものになってしまった。
CRL20mm。
手足も見て取ることができる二頭身の命は、鼓動を止めて羊水の中を静かに漂っていた。
稽留流産と診断される。
大きな終わりの始まりの日。
あれほど予感はあったのに、実際に起こってしまうと現実感に乏しく涙も出ない。

小さな命は成長を止めてしまっていても、つわり等妊娠初期の状態が続く。
出血は小指の爪先ほどもなく、ただただ悲しく重い気持ちとこの期に及んでも信じたくない思いに苛まれる。

翌日になって同じ部署の同僚に事情を説明する必要があり、電話で経緯を話していたところ、号泣に近い泣き方をしてしまった。
彼女は最後まで黙って聞き、「私に話してくれて、ありがとう」と言ってくれた。
とても救われた。

2008年1月2日 
53dp3dt
主治医との面談。
ホルモン補充を止めて2週間以上経過するのに出血が始まらないのはおかしいと言われる。
この時点での血中hCG値は>19,000mIU/ml。

2008年1月4日 
55dp3dt
主治医の指示により、最寄のラボで超音波検査を受ける。
動かぬ命との再会。
2週間以上前に見た時から同じ状態を保つ命に、現実はどうであれ会えたことの母親として当然の喜びもあり、また当たり前に育っていたらCRLも5cm前後になって、人らしい様子を見せていたはずだと思うと、悲喜こもごもの思いで胸が張り裂けそうになる。

2008年1月9日
60dt3dt
移植の日からちょうど60日目。
主治医の紹介で総合病院にて手術を受ける。
生まれて初めての全身麻酔、15分後に目が覚めた時には既に回復室に移され、全てが終わっていた。

退院前のトイレで大量出血を見て、本当に行ってしまったんだなぁ、とうとう空っぽになっちゃったんだなと実感する。
夫を待つ病院の車寄せの大きなガラス越しに見た夕焼けは、きっといつまでも忘れられないだろうと思う。
あの空に飛び跳ねるように帰っていった小さな小さな命。

ありがとう。

ありがとう、ありがとう。

いつかまた会おうね。

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**私の指先からすり抜けていってしまった命のことを文字にするのは、手術から3ヶ月近く経った今でも痛みと涙を伴う作業です。
だけどそれ以上に、この子が確かにこの世に存在したこと、産声を上げることはできなかったけれど、確かに私の中に小さな灯火を見せてくれたことを、その詳細を忘れたくない思いでここに残します。**

ここに来て小さな命の存在を知ってくれた皆さん、抱きしめたいほど感謝します。ありがとうございます...!


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