迷わず5つ星!!
出ました5つ『空飛ぶタイヤ』 池井戸潤 取引先との大事な商談の最中に、社長である赤松の元へ何本も入った電話。それは、運送業者にとって、あってはならない人身事故の知らせだった。走行中のトレーラーから外れたタイヤが、通りがかりの母子を襲い、年若い母親の命を奪った。メーカーから下された事故原因は、「整備不良」。「容疑者」と目され、銀行・取引先・周囲から追い詰められながらも、赤松は自ら事故原因の究明に奔走する。 まだ記憶に新しい、M社による事件がモデルになった作品です。真相究明という源流から、いくつもの話が枝分かれして行きますが、そのすべてが興味深いためか混乱したりしません。何度も苦境に立たされながらも、決して諦めない赤松の姿には、その度胸を打たれました。1番心が震えたのは、長瀬刑事部長が発した『業務上過失致死傷じゃないのかね、君』という言葉ですまた噴出すように涙が流れるシーンが、幾度もありました池井戸作品は『果つる底なき』『オレたちバブル入行組』など何作か読んでおり、どの作品も面白かったのですが、私の中では池井戸さんの経歴もあってか、小説家というより銀行屋さんというイメージが強かったですしかし、この作品は秀逸です。ぜひ、読んで頂きたいです。私も、絶対買います