★のんびり生活　～北の国から～★

ドイツに限らずヨーロッパ全体であるようなのだけれども
学生のためのソーシャルネットワークのようなものがある。
そこではミクシーのように日記を書けるわけではなく
ただ単に自分の自己紹介と写真を載せられるくらいの機能しかない。

たいていの人は本名で登録をしているので
誰かの名前を入れて検索するとかなり簡単に見つかることがある。
そして友達を登録することができるので友達の交友関係まで見えてちょっと面白い。
BBSのようなものも付いていて友達同士ときどきメッセージを書きあったりできる。

ってな具合に使い道は主に知っている人とのコミュニケーションだけど
知らない人にメッセージを送って友達になることも当然できるはず。
でも新しい友達をこんなところで探す人は多分少ないと思うのだけれど
新しい男女の出会いを探している人は多数いるようで
こんな私でも月に２回くらいは「お近づきになりたい」と言うメッセージが届くし
同じようなペースで※「コンニチハ機能」を使った挨拶も届く。

※「コンニチハ機能」メッセージではないのだけれど
　「XXXさんからコンニチハ！をもらいました」のようなものが表示される。
　　一体何のための機能なのかはいまいちわからないのだけれども
　　多分気軽に挨拶するための機能なんだと勝手に推測。


もちろんメッセージを今までくれたのはぜーんぶ男子学生で
年齢は２３歳くらいから３５歳くらいまでとなかなか幅があった。
トルコ人が多かったけれど意外にドイツ人学生からもアプローチ（？）があって
その他にはポーランド人とかウクライナ人の学生からもメッセージを頂いた。
最初のうちは私が日本人なので日本語を勉強したいのかと勝手に思ってたのだけど
彼らの学部を見ると機械工学とか薬学とか日本学とはまったく関係ないものばかり。
しまいには
「君は料理が好きなんだって？（プロフィールに書いてある）
　僕もすごく好きだけどまだ中華料理は食べたことがないんだ！」
と言うメッセージをもらったことがある。
別にいいんだけどアタックするならせめてプロフィールちゃんと見ろ！！
それとも彼の中で日本＝中国？
もしくは写真だけ見て「あ、中国！」って判断？
人口１２億にはかないません。

とまぁ前置きが長くなったのだけれども
私は新しいメッセージがないか友達が新しい写真をアップしてないか
ほぼ毎日チェックするのが日課になっている。
昨日も夜にチェックしていたのだけれども特に何も更新はなかったので
ちょっとページをそのままびろーんとしたままパソコンを離れた。

するとルパンが私のいる部屋にやってきて何気なくパソコンの画面を見て

「君の学生ネットワークのページ？どんなことが書いてあるの？」

と無邪気に言いながら私のページをチェックしようとしたので
私は慌ててルパンに飛びついて、

「べっべっべっ別に何も書いてないってばー！」

と言った。

飛びついて止めるほど重要なことは何も書いてないのだけれど
見知らぬ男性からのメッセージだとか
私の写真についた数少ない男性からの「綺麗だなー」と言うコメントを見たら
ルパンはきっとやきもちを妬くに違いないから見せてはいけない！
ととっさに私の脳が判断してしまったのでよけい怪しく思われてしまった。

「なんでそんなに必死で止めるのっ？
　君は新しい恋人でも探してますって書いてるのっ？」

とかなり不安げなルパン。

そりゃそーだよな、飛びついて止められたら怪しく思うよな・・・。

「新しい恋人なんて探してないよ・・・。
　ほら、じゃあメインページ見てみてよ・・・。」

と言いながらパソコンの操作の主導権を握り
メインページのBBSと私の交友関係を自ら見せた。
するとBBSには

「フジっ子、明日XX時に△△で勉強するのはどう？」

と言う男友達Aからのコメントがあり
ルパンはそれを見てちょっと不安そうに

「Aって誰？」

と聞いてきた。

Aは本当にただの友達なのにー。
とまぁこれは理解してもらえたのだけれども
私の交友関係リストにある男友達すべてについて説明せねばならなかった。

「僕今すっごい嫉妬してる。」

とルパンは不安げに言いながら私の男友達たちをチェック・・・・。
しまいには一緒に行ったパーティーで彼女連れだった男友達まで疑う始末。

終わりにはルパンは少し安心したのだけれども
「僕はすごく嫉妬しやすいから・・ごめんね」と何度も言われた。

そう、ルパンは普段クールに装っているわりにはかなり嫉妬するタイプ。
それをあえて表には出さないようにはしているらしいのだけれども
かなり頻繁に嫉妬しているらしいのだ。

私はと言えば。

実はここ１年くらいは全然と言っていいほど嫉妬しなくなった。
それはルパンの気持ちが私に完全に向いていると言う確信と
この４年間で築き上げてきた信頼があるからだと思う。

昔の彼女からの手紙を（盗み）読みして（勝手に）捨てたことがあるほどに
昔の彼女に嫉妬したこともあったけれど今はもうほとんど嫉妬しない。

「いつ嫉妬をしたことがある？」とルパンに逆に聞かれたときに
「ドイツ語が全然わからなかった頃は嫉妬だらけだった」ととっさに答えていた。

そうなのだ。
ドイツ語が全然わからなかった頃はいつも壁がある気がしていた。
一緒にいるのに、こんなにお互いのことを想い合っているのに、
ドイツ語で他の人と話すルパンを見るたびにものすごく遠く感じていた。
昔の彼女からの手紙も当然ドイツ語で書かれていたのだけれども
初めて発見したときには私はドイツ語が全然だったので
私の知らない誰かとの「ドイツ語での」過去に嫉妬した。
ルパンはドイツ語でどんなことを話したんだろう。
今も私以外の誰かとどんなことを話しているんだろう。
ドイツ語がわからない私はドイツ語のせいでいつも嫉妬していた。

今はあの頃の何倍もドイツ語がわかるようになって
ルパンとのコミュニケーションもドイツ語に移行させたので
昔のような嫉妬はしなくなった。

でもルパンが他の女の人と・・・って想像だけでも嫉妬するから
もしそんなことが今実際に起きたら嫉妬で狂ってしまいそうで怖い。