|
カテゴリ:日常生活
わけあって友人に絵葉書を10枚送ってくれと頼まれた。
しかも、「きれいな、普通の切手」と言う条件付だった。 ドイツの郵便局で切手を買うと、 たいてい黄色い印刷用紙のようなものに、 希望金額分の数字が印刷されたつまらない切手が出てくる。 自動販売機で買っても同じことなのだけど 自動切手販売機はお釣りまでが切手である。 一体どうやったらきれいな普通の切手が買えるのか ずっと私はわからないままだったのだけれども ときどき郵便局のカウンターに用事があると 「きれいな切手でお願いします」と頼んだりもした。 でもたいていの場合「ありません」と言われてきたので きっとドイツではごくごく普通のきれいな切手は コレクション以外では存在しない、または稀なんだと思っていた。 でもまぁ私は切手コレクターでもないし、 とりあえず葉書が届けばいいやと思っていたので さほど気にしなかったのだけれども今回はそうはいかない。 と言う訳で、さっそく町で一番大きい郵便局へ出向いた。 午前中だったせいか人はわりと少なくて すぐに私の番が回って来たのだけれど 私の担当のカウンターには中年の男性が。 『葉書10枚をXXXに、それからこれは〇〇にお願いします。 ただし、あの黄色いつまらない切手じゃなくて、 きれいなドイツの切手じゃないと嫌なんです。』 とこの男性にドキドキしながら聞いてみた。 『へぇーー!XXXに10枚も?XXX出身なの? 〇〇行きの葉書はすごいなー。何も読めないよー。 これ、暗号だろ?一体何を書いたんだいー。(←日本語) ところでこれ、外国行きだからこのシール張ってね。』 と言いながらおじさんは「航空便」のシールをくれた。 数が多いので、おじさんも張るのを手伝ってくれたのだけど その間になぜ私がここにいて何をしているのかを聞かれた。 おじさんはとても感心しながら私の話を聞いてくれた。 『で、勉強が終わったらどうするの?』 と突っ込まれて、 『多分、仕事を探すと思うけど・・・。』 と答えた。 そしておじさん、 『それから家族を持つんだねー。 あ、もう結婚しているのかなー。』 と私の左手の薬指の指輪を見ながら言った。 『いえ、相手はいますけど、結婚はしていません。』 と別に照れる必要もないのに照れながら答えた。 「航空便」のシールが貼り終わると、 おじさんはにこにこしながら 『でもね、ここではきれいな切手は買えないんだよ。 あのこっちの裏の方にね、僕の同僚がいるんだけどね。 そこでだったらきれいな切手が買えるからね。』 とわざわざそこの近くまで連れて行ってくれた。 そして、お礼を言って別れようとすると 手をすっと差し出して、 『それではまた。どうもありがとう。』 と言ってくれた。 うん、フレンドリーなおじさんだった。 こういうこともときどきある。 結婚?そうか、結婚か。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.27 04:12:22
コメント(0) | コメントを書く |