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カテゴリ:愛読書
106.真夜中の五分前 少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。 2冊になっていますが一冊がそれほど厚みがないので2冊で一冊みたいな雰囲気です。 六年前に死んだ恋人の陰を引きずれないことを引きずっている主人公と 双子の妹の恋人に失恋した女性が不器用に惹かれあっていく物語。 生きてると現実はどんどん目の前に押し寄せてきて、いつの間にか 時間が経ち、痛みはやわらいでいくのだろうけどそれを許せないということは とても辛いことだと思う。 後半はまた突然の展開ですが、主人公は主人公らしく歩む道を見つけていきます。 でも本当はなんかちょっともやもやしたものが残っちゃうんだけど。 割り切れるようなものではないから仕方ないのかなあ・・・。 主人公の仕事に対するスタンスは羨ましくもあるけれど こんな風に生きられる人はそう滅多にいるもんじゃない。 そういう意味ではやっぱり特別な人なんだろうなあ・・・・。 忘れることと思い出になることは違う。 いつまでも失った人を現実の世界にはおけない。 残されたものはその人がいない時を生きていかなくてはいけないんですよね・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月12日 09時29分22秒
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