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chickenboyの嘆き

chickenboyの嘆き

小説1 エピローグ


 僕は、中学3年生。名前はゆう(仮名ですね)である。四月に新しいクラスになって、今まで仲が良かった友達とは、クラスを離された。クラスメイトは、今までにあまり話したことの無かったようなヤツばかりである。自分から話しかけることが無く、ある程度の仲の良さの集団に入った。臨機応変に色んな友達と話をしたりして、仲の良い友達が増えた。僕にとって、友達がいなければ、楽しいことが無い。そう思っていた。
 まわりの人が、携帯の話で盛り上がると、僕は必ず参加することができない。なぜなら、僕は携帯を持っていないからだ。携帯は欲しかったが、買ってもらえないのである。仕方ないなと思っていた。そうして、毎日を適当にすごしていたある日、母親が「父さんの携帯を借りて使えば?」と言ってきた。僕はうれしくて、友達とメールしたりして、楽しんだ。こんなに楽しいことがあるんだな、と思った。
 僕がメールをする相手は、男友達だけであった。僕は、女子に話しかけるのが苦手で、話しかけられても、最低限の返事くらいしかできない。そのような理由もあって、女子とはメールをしていなかった。男子と女子は、メールなんてしないだろう、というのが僕にとっての常識みたいなものであった。
 しかし、まわりの友達は女子とメールをしている人が多くいた。それを知って、僕もメールしたいなぁ、という気になった。でも、僕には勇気が無いし、話しかけられないし・・・。そんなことを考えていたら、友達が「女子のメルアド教えてやろうか?」と言ってきた。そして、俺にとっても、少しだけ仲の良かった女子のメルアドを教えてくれた。その女子は、彼氏がいて、こんな僕とも少しは話をしたりしたので、恋愛感情というものは、特に芽生えなかった。なので、緊張せずに気楽にできるかな、と思っていた。
 メールを送ろうとすると、なかなか送信できなかった。緊張してしまったのである。ドキドキしてしまい、戸惑っていた。でも、何とか送らなきゃと思い、思い切ってメールを送信した。すると、すぐに返信が来た。緊張がピークに達した。女子って返信が早いなぁなんて思ったりした。メールを見ると、男子とは違い、絵文字や顔文字の使い方が、可愛らしかった(笑)。その女子とは、深夜になるまで、昔の思い出や彼氏の相談等をメールをして、女子とのメールも楽しいんだなぁ、と思った。
 そうして、僕は女子のメルアドを増やしたいなぁ、と考えた。こんな僕でも、少しだけ仲の良い人のメルアドの許可を得たりした。しかし、すぐにメールは終わってしまう。ありふれた話が発展せずに、終わってしまう。相手も忙しいだろうと考えて、僕は控えめにメールをした。
 僕は、同じ塾の聡里(仮名ですよ)とメールがしたいなぁ、と思った。聡里は、僕と違う学校なのだが、昔、まったく女子と話せなかった僕にやさしく話し掛けてくれた人である。その聡里は、僕の親友のことが好きである、という噂が有名であり、僕もその噂を信じていた。その噂は事実であることも、親友から聞いたりした。なので、メールをしていても、たった一人の女子とメールをしているだけ、という感情しかなかった。
 僕は、聡里から、もう親友は好きじゃないという話を聞いた。聡里は、僕と違う学校なので、会話があまり途切れない。常に新鮮な話題で、毎日の楽しみが「メール」であった。気づいた時には、毎日聡里とメールをしていた。他の女子とも、そんなにメールをしていないのに、聡里だけは、毎日楽しいメールを続けていた。
5月になり、3年生の僕たちは、修学旅行のシーズンになった。聡里は、僕より先に修学旅行に行くことになった。しかし、聡里は携帯を持っていき、僕とメールをした。向こうのテレビで「ハニカミ」を見てるよ、という内容のメールだった。僕は、デートとかしてみたいなぁ、と言った。すると、聡里が、「まだ先の話だと思うんだけど・・祭りとか一緒にいかない?」と誘われた。僕は、普通に「いいよ」と答えた。
 修学旅行から帰って来た聡里は、僕にお土産をくれた。僕も聡里も渡す時がすごく緊張してしまった。結構照れたりした。もらった袋の中には、手紙が入っていた。僕にとって、女子からの初めての手紙。とても嬉しかった。内容は、普通の内容であった。でも、なんか嬉しい気分になった。
 それからも毎日聡里とメールをした。それが当たり前だった。その当たり前を失うのが怖かった。でも、こんな日々がいつまでも続くといいな、と願ったりした。
 聡里と、好きな人についてのメールとなった。僕は、聡里はまだ親友のことをあきらめていないのかなぁ、と思っていた。でも、きっぱりと違うと言った。聡里は、好きな人は別にいる、と言った。なので、僕は「聡里の中学は、かっこいい人がたくさんいるからね!」と言った。しかし、聡里は、「うちの中学の人じゃないよ」と言った。じゃぁ、塾の人かなぁ。僕はそう思った。そう思っていたら、聡里が「塾の人だよ。」と言った。誰かなぁ。まったくわからなかった。なので、適当に塾にいるかっこいい男子の名前をあげていった。しかし聡里は、違うと言った。僕は、考えられず、「誰なの?教えてよ!」と答えを求めた。しかし、メールがなかなか返ってこない。言いたくなかったのかなぁ。嫌なこと聞いちゃったかな。と不安になっていた。すると、「うちはね・・・ゆうが好きだよ!ごめんね急に・・。ビックリしたよね・・。」と言った。


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