呼びかけ慧子は寝ている少女に夢で話しかけていた。「ねぇ慧子。ちっとも起きないよ?・・・本当にいいの?」 髪の長い女性・・・慧子の母が最後に確かめる。 慧子は母の方に振り向きニコッと笑って 「うん。いいの。この人だから。このペンダントが示してるもの。」 と言いながら、『稚葉』と彫られたペンダントと台座で眠る少女を見ている。 台座の上に寝ている少女はびくともせず、まるで死んでいるかのようだ。 慧子は目を閉じ、精神を集中して心の声で話しかける。 『ねぇ桃世。私の声が聞こえる?私ね、慧子っていうの。 このペンダントに付いてる石があなたに反応してる。だから・・・。 詳しいことは、目が覚めてから。時間が無いの・・・。 これは、夢で夢じゃない。・・・現実なの。』 台座で眠る少女の名は・・・『桃世』 |