地下室で手記

2007/08/09(木)20:04

今日の読書 日本人よ!/イビチャ・オシム

読書 ノンフィクション(258)

現サッカー日本代表のオシム監督の著書ですね。 オシム監督について書かれた本というのものは何冊か目を通しましたし、サッカーに関する事の興味よりも、ユーゴスラビアの民族対立であるとか内戦というものにより興味を持つ事になってしまったりもしたのですが、今回のものは、過去のそういった事は少し触れられる事にはなっていますが、重要な扱いにはなっていません。 もっと、ダイレクトに日本サッカーを中心に現在のサッカーそのものについて、日本人について、そして、日本人のサッカー、代表、Jリーグ、メディア、などなどについて考えを述べるというものです。 オシム監督については、いろいろなところで論評されていますし、それについて細かく拾う必要はないと思いますが、私個人の感想としては、やはり現実直視を誰よりも重要視し、安請け合いや大言壮語もしなければ、必要以上の悲観論にも陥らない。 そういった感じでしょうか。 断定調で話さなかったり、メディアにもより高い成長を促そうとするために、メディア受けしない部分も見受けられますが、ここら辺も自分の言動1つで曲解されたり誤解を与えたくないという配慮と、回りもちゃんと考えろよという態度の両面がある事も分かる人ですし。 全体的に非常に興味深く、一読の価値のあるものだとは思うのですが、個人的にはもっと深く触れて欲しかった話題としては、決定力不足について。 Jリーグで外国人ストライカーを引っ張ってきすぎて、日本人のストライカーを育てる環境にないであるとか、もっと育てるべきというのは触れられているのですが、そのストライカー育成法ってどうすればいいの?と。 せめて、効果的にストライカーを育成するためのさわりだけでもいいから、突っ込んで触れて欲しかったと。 経験を積ませるであるとか、得点を強く意識させるとかそういうものではなく、日本人の特質として、高さやパワーにハンデがある代わりにスピードや機敏性があるならば、そういった中でどうやったらば、より得点のできるストライカーを育成できるのか? これが、本当に気になって仕方がないんですよね。 日本の試合を見ているとどうしても、いい形はつくる、ボールもキープできる、でも、得点が入る気がしねぇ!というのを何度となく見る事になっていますからね。 せめて、急にボールが来たらば嬉々としてゴールを決めてくれる選手の育成のヒントだけでも欲しいと。 日本人よ!

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