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カテゴリ:読書 小説
「禁断のパンダ」の続編にあたるものです。
前作は読んでいてすごくもったいないなぁと思った部分の目立つ作品でした。 せっかく、読んでいてフランス料理なんて縁がなく想像するのも難しい私ですら、こんな店ならば行ってみたいと思えるくらい、料理描写がよかったのにそれを作品として完全に生かし切れていないというか、いろいろと詰め込んだせいで全体がぼやけてしまった印象だったのですが、今回は反省を踏まえてなのかどうかは分かりませんが、料理というものをメインにして上手くまとめてきたなと思えますね。 前作の3年後という事なのですが、今回は主人公のビストロのシェフ柴山幸太の悩みは料理の評判はいいのに、デザートについては全くスルーされるという事。 何とかデザートの評判もあげたいと考えているところに、いろいろと事件が起きる事にというのが話の流れになります。 ストーリー的にもまとまりがありますし、ミステリーとしても仕掛けがほどこされているので楽しめるのですが、読んでいて印象に残るのは飲食店という食に関わる仕事は命にかかわる仕事であるという事ですね。 食品偽造問題やら食中毒の問題などところどころで、かなり現状を辛辣に扱っています。 もっとも、主人公は飲食店経営に関しては変態扱いされるくらいストイックな職人なのですが、そこまで突き詰めて考えてやる必要はなくとも、食料品を扱う仕事というのは命を扱っているという事は忘れていはいけないんだよなと思わされますね。 まぁある種のきれい事になる部分もあるのですが、それでも金のためならば何をやってもいいという風潮はなんとかしないといけないなと思わせるものがありますね。 前作と比べて、材料を生かした形で作った作品だなと思えますので、このままシリーズ化を楽しみにできるのではないかと。 蜜蜂のデザート お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年02月23日 21時14分16秒
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