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カテゴリ:読書 小説
現在の日本の国政を担う政治家の、どうしようもない不甲斐なさを見ていると、本気で実はこういうものがあるんですよ!となってくれないかなぁと思える小説が出てくるというのも分かるというわけで、読んでいて心底事実で近い事が起きてくれないかなと思える設定になっています。
北朝鮮が日本に向け核ミサイルをぶっ放すと脅しをかけてきた事によって、日本には有事の際に表の内閣とは別に選挙で選ばれたものではなく史上最強と呼べる裏というか一軍の内閣が存在するというお話。 元ネタが分かりすぎるくらい分かるパロディ小説で気軽に読めるのですが、それだけに今の日本の外圧を含めた閉塞感の一端が露骨に分かり、思わずにやりとしてしまう事請け合い。 この人の書くものは、「都立水商」にしろ「ドスコイ警備保障」にしろ、ダメ人間扱いされた人の奮闘再生記を面白おかしく、そして奮闘っぷりに感情移入をしやすいように書くのが得意であると思うのですが、これは規模を大きくしダメ国家再生記と考えると構造としては結構似通っていますかね。 大きく違うのは史上最強の内閣として選ばれた内閣は、衆愚政治とは程遠く真の愛国者であり真の平和主義者で、現在の日本にはびこった衆愚世論や売国平和主義者の問題点をさらりと突いてくるという事により、物語内での国民感情も動かすだけではなく、読者にもネタという体裁で訴えかけてくる所があるという事でしょうかね。 ちょっとトントン拍子で上手く行きすぎるのは、この人の書くものの特徴であり、そこら辺が気になってしまうと楽しめないかもしれないですが、軽く読めるものとしては贅沢過ぎるかもしれないと思えますね。 売国平和主義者がはびこったカウンターが来る可能性を危惧する向きが、それこそ売国平和主義者から出てきますが、そうではない着地点が日本人として作れるのではないかというある種の理想が書かれています。 まぁいろいろとツッコミどころがある解決策ではありますけども、それを含めて多くの人が読んでみて、考える事が出来ればいいかなと推薦したくなる一冊です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年02月02日 20時56分33秒
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