カギを忘れたお友達
夕方、子供たちを迎えに行った帰り道のこと。長女と同じ1年生で学童保育のお友達がランドセルを背負ったまま、うつむき加減にその子の自宅の前をウロウロしている。呼びかけて手を振ると「カギ、無いねん。」と言うので事情を聞きに近づいた。どうやら、いつも朝から登校時に首にぶら下げているカギを持って出るのを忘れたらしい。「お母さん、何時に帰ってくるの?」と尋ねると「6時か6時半くらい。」との返事。腕時計に目をやると、時刻は5時過ぎ。その子のママが帰宅するまでは、まだまだ。「お母さんの電話番号とか、どこかに書いて持ってない?」と聞いてみても持っていない。あいにく、私も交流の無いお母さんなので、気軽に家に連れて帰って預かるわけにもいかず、とりあえず、学童保育に電話をしてみた。運良く先生が残っていて、事情を話して保護者に連絡を入れてもらえることになった。で、でも、保護者の携帯が繋がらない。学童保育の先生が駆けつけてくれたものの、先生もどーしよっかぁと言った感じで、再度、保護者に連絡を入れることに。やっと、繋がった先方のお母さんは、事情を話した先生に「スグ帰りますから、ほっといて下さい。」と答えている。仮に、そのお母さんが先生に迷惑をかけたら悪いからというニュアンスで「ほっといて下さい。」と言っているとしても、だんだん薄暗くなるし、小雨が降ってるのに、そのこは傘も持ってないし、ほっとく訳にもいかない。先生に、電話を代わってもらい「お節介かとは思いますが、うちで預かりますので、後で迎えに来てもらえますか?」と、半ば強制的に提案。結局、お母さんが私の家に彼女を迎えに来たのは、6時半過ぎ。すごくにこやかで、かわいらしいママに連れられて帰っていったけど、あの後、彼女が怒られていないか、ちょっぴり心配。本当にお節介だったかも知れないけど、物騒な世の中なので、もし自分の子供が何らかの事情で外をうろついていた時、私ならほっとかれたくないので、声をかけずにはいられなかった。小腹が空いているかなぁと思い、リンゴをむいて娘と息子と彼女の3皿を並べてあげると、3人並んで美味しそうに食べながら「みんなで食べたら楽しいなぁ。」と彼女が言った。一人っ子で、ママよりも先に帰宅する彼女は、一人の食卓が多いのかも知れない。お節介で自己満足と思われようとも、顔見知りの子供たちに、一杯、一杯、声をかけて、子供たちからも「おばちゃーん!」と声をかけてもらうのが大好き。