カテゴリ:メディア論
著作権の保護期間延長問題が今年の話題の一つだった。
有名漫画家が、子孫のために著作権延長を主張していたが、 実際のところは、 保護期間延長によって儲かる著作者の遺族なんて ほとんどいない。 むしろ、保護期間の設定は、 過去のクリエイターよりも、 「現在のクリエイター」を守る、 という効果があるのではないかと思う。 今はそれほどでもないが、 期限切れコンテンツが増える将来には、その意味が増すと思う。 たとえば、仮に著作権の保護期間が10年だとしたら、 現在の小説家は、周りのライバル小説家だけでなく、 無料化された10年前の流行小説と戦わないといけなくなる。 読むほうとすれば、1000円の本と、0円の無料ダウンロード小説 があった場合、後者を選ぶ人は相当数いるだろう。 これはクリエイターにとってはしんどい話だ。 (まあ、青空文庫がタダだからといって、 みんなが読んでるわけではないけどね) 今の「期間50年」だと、50年前にハタチだった人は、 70歳の今は、ハタチ当時流行った映画を全部合法的に タダ観できることになる。 とすると70歳の人向けの映画、というのを出すのは ほんの少しだけだろうが、難しくなるかもしれない。 (彼らが無料ダウンロードする習慣ができれば、だが) 期間延長の話は、業界にとっては、 現在のコンテンツ保護の側面もあるんじゃないかなあ、 と邪推してみた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.12.29 09:32:41
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