カテゴリ:メディア論
匿名性や有害情報フィルターの問題など、
政治家も官僚も、昨年あたりからインターネットの規制を 強めようとしたがっているようだ。 規制の是非以前に、 できるかどうか、もし仮にそうしたらどうなるか、 ということが議論されていなそうなのが気になる。 情報に有害も有益もないにもあるが、 インターネットというオープンネットワークにおいては、 海外と日本の境界線がないため、 たんに個別の国内サービス提供者を規制するだけでは意味がない。 国内サービス提供者規制とあわせて、 (1)全PCクライアントを規制する、 (2)全世界のサービスを規制対象にする、 (3)国外との全トラフィックにフィルターをかける、 (4)全ISPにフィルターを入れる、 といった規制のいずれかを同時に実施しなければなんの実効性がないのだ。 (1)の全クライアントに強制的にフィルタを入れることは オープンシステムでは難しい。(ケータイならまだ可能だろうが) そして当然、(2)の海外の業者を日本が規制することも不可能だ。 となると、(3)(4)あたりしか方法はない。 (3)は中国と同じ方式だ。 ケータイでは、インターネットからのトラフィックを ほぼ3社のゲートウエイ(キャリア)で管理できてるぐらいだから、 PCのインターネット通信でも本気でやれば(4)も多分できちゃうと思うけど、 とんでもなくコストがかかるだろう。 そしてたとえ、この辺りを解決しても、 次は、海外に直接ダイアルアップしたらどうすんの?とか、衛星通信はどうすんだ、 とか、暗号化されてるコンテンツはどうすんの、という話が出てくる。 生半可な規制など、なんの意味も持たないのだ。 「情報大航海」なんて風呂敷を広げつつ、規制もかけたい、 という都合のいい話は不可能なのだ。 本気で規制したいなら、ネット利用そのものを違法化して全国民からネットを 取り上げる気でやってみるしかないのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.05 13:04:03
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